「のろまなローラー」のご紹介。
タイトルにもあり、そして主人公でもある、「ローラー」とは、道を平らにする「ローラー車」のことです。

ローラー車がゆっくり、ゆっくり道を進んでいると、後ろから、すごい勢いで迫ってきて、「どいた、どいた」と大きなトラックが追い抜かしていった。そして、立派な車も続いて、追い抜かしていった。小さな乗用車も追い抜かしていった。

追い抜かしていった、車たちは、皆のゆっくり進んでいる「のろまなローラー」を馬鹿にし、得意げに自分たちのスピードや勢いを誇示していた。
しかし、ローラー車がある坂道にさしかかった時、トラックも立派な車も、小さな乗用車もみな、でこぼこ道でパンクをして、立ち往生していた。

ローラー車は、立ち往生している車たちに、「気の毒に、ゆっくりと休んでおいでなさい」と、やさしく声をかけて、これまでと同じようにゆっくりと、そして、道を平らにしながら進んでいった。
程なく、後ろからトラックも、立派な車も、小さな乗用車もパンクを修理し、そして、ローラー車が平らにした道を通ってやってきた。

そして今度は、「ローラー車さんありがとう。道を平らにしてくれて」といって、過ぎ去っていった。

30年以上前の絵本ですので、多少古さを感じるような車が登場しますが、丁寧な絵ですので、十分今の時代でも違和感無く受け入れることが出来ます。 お話しとしては、よくあるパターンのものかもしれません。
本書は、初版が1972年(昭和47年)高度成長期の真っ只中に発表されています。当時の時代背景を考えると、いまでいう「スローライフ」の考え方のような、「あわてず、マイペースでいきましょう」ということをあらわしていると思います。
しかし、多くのサラリーマンの実態そのもののような気がして、強く共感し、涙があふれてきました。
子供にとっての受けとめかた、大人にとっての受けとめかた、それぞれの受けとめ方ができるそんな絵本です。


のろまなローラー(こどものとも絵本)/小出 正吾
¥840
Amazon.co.jp


「かあさんのこころ」のご紹介。

主人公のくまは、幼いころに母さんを亡くした。
その後やさしい、新しいお母さんができたが、やっぱり寂しく、孤独を感じたまま。
幼い自分を残して、母さんはどうしていなくなってしまったのかと悲しい気持ちに。。。

・・・そして、月日が流れ、幼かったくまは、おじいさんに。
自分の娘が孫を抱いている姿を見て、気がついた。
幼い自分を残して死んでいった母がどんなにつらく、苦しかったことか。

子供のころにはわからなかったこと、親になってはじめてわかること、
そんなことをじわりと教えてくれる一冊です。
やさしいお話しにぴったりのやさしい感じの絵が、ぴったりです。




かあさんのこころ/内田 麟太郎
¥1,365
Amazon.co.jp

「パパはウルトラセブン」のご紹介。

本書は、みやにしたつや氏の「ウルトラマン」シリーズの一つで、お父さんはウルトラマンと違い、こちらは、娘を持つパパという設定。

ほかのシリーズ同様、娘に対するセブンパパの深く、大きな愛を強く感じる内容です。

怪獣たちから「おまえきらい」といくらいわれようが、平気なセブンパパ。でも、娘に「パパきらい」といわれると、立ち直れないくらい傷つくセブンパパ。
「大きくなったら、パパと結婚する」という娘の発言に、感激するセブンパパ。

よくあるエピソードを素直に、さわやかに表現していて、子供に読み聞かせながら「うん、うん」と思います。

男の子にも、女の子にもお勧めの一冊です。



パパはウルトラセブン/みやにし たつや
¥1,260
Amazon.co.jp


「どんなかんじかな」をご紹介します。

この本、はじめは、私自身読みながらあまり意味がわかりませんでした。
しかし、本編を最後まで読んで、そして解説まで見ると「あ~あ!そうなんだ」と思いました。

目が見えない人はどんな感じか、目を閉じてみる。すると、すごく音が聞こえるようになる。

耳が聞こえない人はどんな感じか、耳をふさいでみる。すると、よく見えるようになる。

といったように、一見すると弱点と思われるようなことが、実は強みにつながっているということを主人公の男の子が、試してみて理解する。

本編は、主人公の男の子が、目が見えない友達や、耳が聞こえない友達と同じように感じるために、いろいろと試してみるということで進んでいきます。

男の子は試してみることで、友達がいつもどんな感じなのかを考えてみて、素直に友達に伝えるということを表現しています。

そして、友達もまた、男の子のことを真剣に思って、どんなかんじか考えてくれる。
そう、男の子もまた、体がほとんど動かないという状態だったのです・・・


この本は、青少年読書コンクールの課題図書や日本絵本賞に選ばれており、様々な方面で注目されています。



どんなかんじかなあ/中山 千夏

¥1,575
Amazon.co.jp

「めっきら もっきら どおんどん」をご紹介。

夏のある日、遊び友達がおらず、退屈していた
かんたは、適当なうたを歌った。

「めっきら もっきら どおんどんと。

すると、近くの穴からなにか声がする。
穴に近づくと、吸い込まれて・・・ついたところは、夜のやま。

夜のやまには、3人の不思議なお化けたちが。

お化けは、かんたと遊びたくてしかたがなく、
押し合いへしあい、自分が一番に遊びたいと大騒ぎ・・・。

お化けたちとかんたは楽しく遊んで、
お化けたちは眠りこける。
そして、かんたは、お母さんが恋しくなり「おかあさん」と叫んだとたん、
もとの世界に戻ってしまう。

ストーリーは、不思議な世界にいって、お化けと遊ぶというものですが、
タイトルの「めっきら もっきら どおんどん」にもあるように、
語調が独特で、楽しい感じがします。歌うように読むとなんだか楽しくなります。

この本の魅力は、少し見た目や話しかたが怖いお化けたちですが、すごく無邪気で、泣いたり笑ったり、喜んだりといった感情の変化が面白いです。


うちの子供たちに読んだところ、お兄ちゃんのほうは最初怖がっていましたが、妹のほうは最初から気に入ったようで、何度も読めとせがんできました。

長谷川摂子ワールドを堪能してください。



めっきらもっきら どおんどん(こどものとも絵本)/長谷川 摂子

¥840
Amazon.co.jp