あしたのために あしたのジョー!展 | 酔いどれスナフキンのブログ

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先日、ちばてつや翁、ご自身のブログに告知がしてあり、気になっておりましたが、やっとこ行く気力が湧いたので、密をさけつつ、行ってきました。

おっちゃんちから京王線の芦花公園駅って、近いんだか、遠いんだかビミョ〜。

でも、井の頭線の高井戸駅で下車して、バスで来たらそんなに遠くはなかったよ。
世田谷文学館、企画展会場にて…おっちゃんです😄

この隣の駅に居を構える八幡山の駄洒落王(兄さんスミマセン)が事細かに教えてくれました。

こちらは今より7年近く前に、練馬区立美術館であったイベント。運良く、ちばてつやさんのトークショーに参加出来た下りが載っております😄

今回、作者ご高齢のためか、そう云ったイベントはありませんが、生原稿を見られるだけでもと、馳せ参じ。
『あしたのために あしたのジョー!展』を見てまいりました。

こう云うご時世ですから、あしたにかける意気込みが大切だなぁ…と。

入場後、検温と連絡先を署名してから会場へと向かいます。
こっから、上に登んだな。

先日、ちばさんご本人も来館されたそうですが、その前に行ってたにも関わらず、色々こねくり回して、上げそこなってたわけです😅

二階のフロアが企画展。
館内撮影OKかは確認済です。

正面には、少年マガジンの表紙を飾った『あしたのジョー』

いきなり、力石徹の告別式から…。当時、マンガのキャラクターにも関わらず、実際に葬儀を行ったと云う新聞記事でございます。

葬儀委員長は演出家の寺山修司さんで、ご本人の著書もミュージアムショップで売ってました。

力石、没して叫ぶジョー。
ちばてつやさんの肉筆踊る生原稿です。

それにしても、1枚仕上げるのにどんだけ時間がかかるのでしょうか?

原作の高森朝雄ってのは、あの故梶原一騎さんの本名ですが、『あしたのジョー』の連載を開始するときには、同じ少年マガジンで『巨人の星』を梶原名義で連載していたので、本名使ったらしいッス。主人公の矢吹丈です。

『ちかいの魔球』のころ、ちばさんは野球のことを全く知らなかったらしく、マンウドとかプレートも知らず、テキトー(マウンド知らんから、ピッチャーは平らな所から投げてたとか)に描いちゃったらしく、例え原作があっても、知識としての、取材の重要性に気付き、山谷地区や少年院も取材に行ったそうです。

実際に描いたシーンは多少のデフォルメもあり、東光特等少年院の絵をパクった?本宮ひろ志からクレームが付いたとか😁

力石徹との最初のリングでの闘い。
ちばさんは、原作者の梶原一騎(敢えて)氏と力石のキャラクターについて詳細な打ち合わせをしていなかったらしく、ジョーの敵役だからと大きく強く描いてしまったらしいです。

後から、ジョーのライバルで、ボクシングの試合をするのだから、デカくちゃ階級が合わないだろうと梶原氏からクレームが付いたとか…。

そのお陰?で力石徹の過酷な減量と、その後、力石の死と云う流れのストーリーが出来上がるとは運命的ですらあります。この絵をはちばさんのお気に入り…右下スミの裸おどりはご自身だとか。

この原稿に洩れず、ちばさんは描き込み好きでありますな。

これまたお気に入りのクロスカウンター。
ボクシングシーンにはアシスタントのポーズが欠かせなかったとか。

ホントに殴り合いにならなきゃイイね😄

『終わった、何もかも…』
この後の力石の死によって『あしたのジョー』は終わったと見る向きも多く、以降アナザストーリーぐらいと思ってる人も居るらしいですな。

この力石の死後、ちばさんも過労で倒られ、休載になったとか…。

ドサ回り後のジョーと病み上がりのちばさんの復活の時期は重なってたようです。

ジョーも、ちばさんの筆も新たなライバル、カーロス・リベラを得て、絶好調。
生原稿だとホワイトの入れ方が分かりますな。

こちらは今は無き後楽園球場で行われたジョーとカーロスの一戦。
カーロスと出会った辺りから、ジョーは少年から青年へと成長していったように思えます。

乾物屋の紀ちゃんとのデート。
何気なく描いた『まっ白な灰…』の下りが、有名なラストシーンへの布石となりました。

何でも、ちばさんのご両親は、引き上げ後、林屋みたいな乾物屋を営んでいたそうです。
紀子との恋の完結…大河ドラマですね。

東洋タイトルマッチの前に、金竜飛がジョーに語る悲惨な体験は、満洲引き上げのちばさんの原体験がベースになってるそうです。
生原稿撮り忘れて、手持ちのコミックからの抜粋です。

この金竜飛戦を終えたことで、作家としても、力石徹と真の決着が着いたともありました。

またもや、ちばさんと梶原一騎さんが揉めたネタ…下の写真の黄色く塗られているところが、原作でもマンガでも使われたところです。原作を膨らませるのがちばさんの手法らしいのてますが、あまりにも梶原原稿とかけ離れているのか分かります。

怒った梶原さんが、何故原作通り描かないのか怒ったそうです。

そんなわだかまりと云うか、行き違いのあったお二人も最終回掲載号ではガッチリ握手!
ホセ・メンドーサとの決着や如何に…って、永井豪の『デビルマン』や石ノ森章太郎の『ロボット刑事』ってもう載ってたんだ…以外。

それにしても、この頃のマガジンって、豪華キャストですね。

ホセ・メンドーサとの対決で、特にジョーの目にこだわったと云うシーン。
活版印刷だと潰れちゃう違いが、写真だと鮮明に残りますね…真ん中コマはペンじゃなくて、サインペンかなんかで描いております。

ここに来て、林屋の紀ちゃんとのデートシーンが生きてきます。
力石の減量苦といい、まっ白な灰といい、思わぬ形で伏線となり、回収されて行くなんて奇跡のような作品ですな。

このページの原稿は無かった…ジョーと葉子の愛のかたちのシーン。
この後、直ぐに判定の結果が言い渡されるわけですが、締め切りをオーバーしてたので、あっさりしたものになってましたとは、ちばてつや談。

そのお陰かどうなのか、漫画史に残るラストシーンが生み出されたわけです。まっ白に燃え尽きました。

見終われば、予想以上に中身の濃い企画展で、たいへん面白かったッス。
全部見て、おっちゃんも燃え尽きたよ😅

やっぱ、『あしたのジョー』はフェバリットだわ〜。

『タイガーマスク』(こちらも梶原一騎原作)はアニメの方が濃かったけど、『あしたのジョー』は原作の漫画が勝りますな。

この企画展、3月31日までやっております。ご興味のある方は是非どうぞ!

800円の入館料はお得です😄

観覧後、刺激を受けて、ウチにあるコミックスを最初からおさらいしようと思うおっちゃんでした😁