大きな問題は、マスコミが「国民を守る」報道をせずに、安倍晋三という硬直化した視野の狭さの人物とその体制順応派(安倍の支持率が高い中は黙っておこう)の国会議員たちの側の報道しかしないことです。
今回の関税交渉は、あくまでもTPPの交渉の中のものであり、TPPが成立しなければ反故にしていいのです。豪との交渉とは性質が違います。
ISD条項のことは秘密にしておいて、交渉の一番最後に持ってきて、
一網打尽にしようとしているもの。マレーシア、ベトナムが反対してくれることに期待。オバマがマレーシアを訪問するのも圧力をかけるためか?
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孫崎亨さんの記事です:
TPP:いつの間にか農業の関税だけの問題。保険、金融、知的財産等は隠されてる
TPPは24分野の交渉でスタートした。
市場アクセス(工業)、市場アクセス(繊維・衣料品)、市場アクセス(農業)、 原産地規制、貿易円滑化、SPS(衛生植物検疫)、TBT(貿易の技術的障害)、 貿易救済措置、政府調達、知的財産権、競争政策、サービス(クロスボーダー)、 サービス(電気通信)、サービス(一時入国)、サービス(金融)、サービス(e-commerce)、投資、環境、労働、制度的事項、紛争解決と様々な案件がある。
これらは日本社会に対して深刻な影響を与える。
私は、最も重要なものは紛争処理、ISD条項*と思う。
*ISD条項 とは、「投資家 対国家 間の紛争解決条項」(Invest or Sta teDis pu te Set tlement )の略語 であり、主 に自由貿易協定(FTA)を結んだ国 同士において、多国 間における企業 と政府との賠償を求 める紛争の方法を定めた条項である
平成25年5月2日参議院予算委員会公聴会での私の発言は下記で切り出した。)
「TPPは日本の将来を決める大きな岐路です。
今日の外交問題で最も重要な課題であると言えます。
TPPにはさまざまな問題があるがISD条項は国家の主権を揺るがす重大課題です。
・これまでの経済交渉は国家対国家でした。
ISD条項によって、企業が国家を直接訴える。裁判では企業は巨額の資金を投入します。 裁判の基本理念は経済活動で、受け入れ国の法律や制度で期待する利益が得られなかった時に訴えることが出来るというものです。
・健康、土地活用、政府調達、知的財産権、規制、税等広範な分野が対象になるとみられています。」
・こんな不透明な裁判が国内法に優先」
TPPは決して農業の関税問題ではない。
広範な日本の経済関係、社会問題に関係する問題である。
思えば、TPPを農業の関税問題にだけすり替えたのは前原氏であった。
「1. 5%(農業)を守るために、98.5%が犠牲になっている」
農業問題を焦点にしておけば、日米の攻防がどの様に進んでも、日本国内の国論が大きく盛り上がることはない。
日本の国民は所詮農家は高い関税で権益を守られていて、この関税が低くなっても、農産品が低く手に入るのでむしろメリットがある位にうけとめている。
医療や、保険や、知的財産権やISD条項など米国が最も狙うものは秘密としておく。見事なゲームプランを作った。
そして常に先頭を切って日本国内で取り進めるべき人間が必要で、ここでもまた、前原氏が初動の時期、その任を果たした。TPPで米国の銀行、保険、医療、IT業界等の日本乗っ取りはほぼ成功する。オバマ大統領が仕上げをする。オバマ大統領に誰が大量の資金提供をしたかをみれが誰がオバマを動かしているかが解る。
農業団体でもない。軍需産業でもない。銀行、保険、医療、IT業界だ。
孫崎 享
駐イラン大使
外務省国際情報局*長 1997年-1999年
駐ウズベキスタン大使(初代) 1993年-1996年
*米国のCIA,英国のMI6などに相当する
日本の情報局です。でも日本の場合は攻撃性
がないですね。
amazon「戦後史の正体」孫崎 享著
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