夏の王のシンプルな考察、冬の王の決断について | Il nome della rosa

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夏の王のシンプルな考察、冬の王の決断について

 スポニチ  2020年9月26日 07:24

夏と冬、日本の五輪競技には最高峰の舞台で輝いた2人のアスリートがいる。体操男子の内村航平(31=リンガーハット)は個人総合で12年ロンドン、16年リオデジャネイロを制し、リオは団体総合でも金メダル。フィギュアスケート男子の羽生結弦(25=ANA)は14年ソチ、18年平昌を連覇した。 

 黄金のキャリア、美と難度の追求、故障との闘い・・・。足跡もシンクロしてきた2人は今年、理由は違えど、ともに重い決断を下した。

 内村は深刻な痛みを抱える両肩への負担を減らすため、これまで主戦場だった団体総合、個人総合ではなく、種目別の鉄棒で来夏の東京五輪へ。羽生は新型コロナウイルスの自身や周囲へのリスクを考慮し、今季のグランプリ(GP)シリーズを欠場する。

 鉄棒のスペシャリスト初戦だった、9月22日の全日本シニア選手権を終えた内村に聞いた。羽生の決断について、どう思うか。「あまり詳しくは知らないですけど」と前置きした上で、言葉を紡ぐ。その考察はシンプルだった。

 「別にあーだこーだ(周りに)言われる筋合いはないというか。あーだこーだ言う人がいるなら聞きたいですね。“自分のこと、自分で決めないの?”って」

 熟慮の末に出した答えに対する雑音があったとしても、それを気にする必要はない。それはもちろん、内村にも当てはまる。内村もまた、信頼を寄せる佐藤寛朗コーチら周囲にまで視野を広げての決断だったのだから。

 内村は羽生について「背負っているもの、五輪連覇とか同じようなものを感じる」とする一方で、「だからこうした方がいい、とかは思わない」と話したことがある。数年前から考えを押し付けることなく、シンプルにエールを送ってきた。そして、羽生も内村の姿を参考にしてきた。

 14年中国杯、羽生はフリー直前の激突事故がありながら、強行出場した。当時の内村の言葉は「(賛否両論)どちらの意見も分かるけど、やるのは選手。僕も周りが止めても後先を考えずに出ると思う」だった。

 17年4月、金メダルを獲得した世界選手権から帰国した羽生は、五輪を連覇するアスリートのイメージを問われた。「インタビューとかで内村さんの“連覇じゃなくて1回の優勝の方が楽だった”というのを聞いて、やっぱり意識してしまうんだろうな、とは思っている」。内村の言葉を胸に刻んでいた。

 17年秋、内村は世界選手権で左足首を痛めて個人総合の連覇が止まり、羽生は右足首を痛めてNHK杯を欠場した。時をほぼ同じくして訪れた試練。内村は「ケガをするということは、まだ下手」と言い、羽生は内村の言葉を引用する形で思いを共有していた。

 18年平昌五輪直前、先の右足負傷から連覇を目指していた羽生について、内村は「連覇をしてほしいし、この状況で連覇したら、かっこ良すぎる」と期待を寄せた。そして、フィギュアスケート男子で66年ぶりの連覇は現実になる。

 19年2月、羽生が右足首負傷から世界選手権へ懸命の調整を続けていた時。内村は「期待されて、応えなきゃいけないのは当たり前って思うと焦ってしまうけど、気持ちの持っていき方がすごくうまいんだろうな、と平昌で思った」とし、「ただただ、凄いとしか思わない」とリスペクトを口にしている。

 それぞれの決断から、時は着実に進む。全日本シニア選手権、内村は実戦で初めてH難度の大技「ブレトシュナイダー」に挑戦した。完璧ではなかったものの、技としては成立。リスタートの大切な一歩を刻んだ。

 夏の王と冬の王は同じ意志の下、きっとつながっている。だから、試合後の内村の言葉を最後に紹介したい。それは内村自身に向けたものだが、羽生の未来も示唆していないだろうか。

 「新しい技も習得して、まだいけそうだな、進化できそうだなと思う。なんか、突き詰める癖があるので」――。  (記者コラム・杉本亮輔)

https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2020/09/26/kiji/20200926s00067000145000c.html

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まさかの「SEIMEI」! 羽生結弦のエキシビション、再び【BBMフォトギャラリー23】

2020-09-25

 

BMのプロスポーツカメラマンによる厳選ショットを紹介していく連載ですが、今回は羽生結弦選手の4度目の登場! 前回の羽生選手の回に引き続いて、先シーズンのエキシビションからお届けしていきます。

撮影/解説◎毛受亮介

 前回、先シーズンのエキシビションの写真を掲載しましたが、いかがでしたか? 実はまだまだ紹介しきれませんでしたので、今回はその続きをお届けします!

 

『SEIMEI』
2019年12月23日 オールジャパン メダリスト・オン・アイス
=東京/国立代々木競技場第一体育館

前日までの全日本選手権で、2位に終わった羽生選手。連戦の疲労は明らかでしたが、この日は笑顔でリンクに姿を見せてくれました。

 この頃になると、「今回のエキシの曲は何だろう?」と予想するのが楽しみになってきていましたが、演じられたのは、まったく予想していなかった『SEIMEI』でした。いやー、やられた!

 

言わずと知れた、平昌オリンピックで金メダルを取ったフリーの演目『SEIMEI』。

 やっぱりいいよなー、でもこの曲はエキシでやるより競技でやる方がかっこいいけどなー、とか思いながら撮っていました。それがまさか…。

 

そのまさか。この約1カ月後、シーズン中ながらプログラムが変更されて、『SEIMEI』が復活することになったのです。

 後に羽生選手が「ものすごく自分でいられると思った」と語ったように、この演技後のホッとしたような表情に、プログラム変更のきっかけとなるような感情が写っているような気がします。

この日はクリスマスも近づく年の瀬。雪が降るような演出で、フィナーレを迎えます。

 前日の会見で、2月の四大陸選手権に出場することが発表されました。それまでに連戦の疲れを少しでも癒してほしいな、と思いました。

 

 

『Hope & Legacy』
2020年2月9日 ISU四大陸選手権
=韓国・ソウル/木洞アイスアリーナ

この日は男子シングル・フリーの演技が昼過ぎにあり、そのあとに表彰、記者会見などを終えてすぐ、エキシビションに臨む、という選手には過酷なスケジュールでした。

 今回の演目は、『Hope & Legacy』。前に韓国で行われた四大陸選手権は2017年。その年、羽生選手が演じていたフリーの曲です。私の希望はもう一つの方だったんですけど…。そう、もう一つの方とは、当時SPの曲だった『Let’s go crazy』。曲調が対照的なこの2曲ですが、どちらもカッコよかったですね!

羽生選手の演技とピアノの旋律が一体となって、こちらに何かを訴えかけてきます。ゆるやかになったり、激しくなったりする波にのまれそうになりながら、なんとかしがみついてシャッターを切ります。

 

 

指差す先の未来に、希望がありますように。そう願わざるを得ません。

 

本来ならこの後、3月に世界選手権がある予定でしたが、ご存知のように中止に…。

 モントリオールの地で演じられるはずだったのは、何の演目だったのか。とても気になります!

 

おまけ!
2020年2月9日 ISU四大陸選手権
=韓国・ソウル/木洞アイスアリーナ

それではみなさん、またお会いしましょう。

 そして、「ありがとうございましたー!」

 

※BBMフォトギャラリーは毎週金曜日に更新予定です。

https://www.bbm-japan.com/photos/17395040