羽生選手のコラムや新聞記事など | Il nome della rosa

Il nome della rosa

フィギュアスケート男子シングルのファンです。
羽生結弦選手を応援しています。
個人記録用ブログ

sportivaさんとsportsnaviさんのコラム。

もう皆様読了済かと思いますが、自分用に。

未読の方は私とご一緒にどうぞ(^-^)






羽生結弦、絶対王者チャンから得た「勝利以上の収穫」
http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/othersports/2013/11/18/post_276/index.php

折山淑美 取材・文  能登直 撮影 

今シーズン、GPシリーズ初戦10月のカナダ大会ではパトリック・チャン(カナダ)に次ぐ2位だった羽生結弦(ゆづる)。表彰台に登る結果を残せたものの、ショートプログラム(SP)、フリーともにミスが出てしまい、本人にとって不本意な内容だった。

 だが、2戦目となった11月15日からのフランス大会は納得の滑り出し。当日の公式練習からキレのいい動きで、4回転トーループやトリプルアクセルも余裕を持って決めていた羽生は、夕方からのSPでもその好調を維持した。

「SP最初の4回転トーループは、自分の中では納得できるジャンプではなかった」と本人が満足していないように、着氷で少し重心の位置がズレたものの、審判のGOE(技の出来ばえ)は2・00点が出る高評価。その後の要素も、すべて加点をもらう出来で自己最高の95・37点を獲得した。

 昨シーズン序盤、羽生はSPで歴代最高点を連発しながらも、年が明けた13年からはミスが続いていたが、それを今季、やっと完璧に近い形でできたという満足感はあった。だが「昨年に比べれば体もすごく動いていると思うし、スケーティングも頑張ってやってきた。それなのに去年の最高点を0・03点しか上回っていないのは残念。もう少し頑張らなければいけない」と羽生は悔しがる。

そして、その羽生以上の出来を見せたのが、現在世界選手権を3連覇中のチャンだった。冒頭の4回転トーループ+3回転トーループからすべてのジャンプと演技を完璧に決め、技術点こそ羽生より0・38点下回ったが、芸術要素点で上回って98・52点の世界歴代最高点を記録したのだ。

 チャンとの差は3・15点。「SPの3点差というのは大きいですね。エレメンツ(技術点)で少し上回ったけど、5コンポーネンツ(芸術要素点)であれだけ差をつけられると太刀打ちできない部分もあるので……。でもカナダの時はSPが終わった後に2位しか狙えなかったけど、今回は何とか首の皮一枚(優勝に)つながった感じですね」

 こう話す羽生は、記者会見場で5コンポーネンツの点数を上げるための方法と、スケーティングについてのチャンの発言を頷(うなず)きながら聞き、「パトリックが会見で言ったことがためになったので、ちょっと実践してみようと思います」と話していた。

 しかし、翌日のフリーは、序盤にいきなりつまずいてしまった。最初の4回転サルコウを跳ぼうとした瞬間、踏み切る左足のエッジが傷ついたリンクの溝にはまってしまう不運に見舞われ、ジャンプできなかったのだ。

「しょうがない。次は跳ばなきゃ」と切り替えたが、次の4回転トーループでは焦りが出てしまい転倒。さらに3回転フリップは跳びきったが、ロングエッジで減点されてしまった。続くステップシークエンスも本来のスピードがなかったが、そこから、羽生は自分の気持ちを立て直した。

「プログラムではジャンプに集中しなければいけないが、今回の試合までの練習では、ステップとかスケーティングや振り付けに力を入れたうえでジャンプを跳べるように練習をしてきた。そういうトレーニングをしてきたので、動きながら心を落ち着かせることができたのだと思います」

 こう話す羽生は中盤のトリプルアクセル+3回転トーループを、2点の加点をもらうほど完璧に決めると波に乗った。その後もふたつのコンビネーションジャンプを含む4つのジャンプをきれいに決め、スピンでもすべてレベル4をもらう演技でフリーを滑りきると、カナダ大会を13・78点上回る168・22点を獲得。合計も263・59点まで伸ばした。

「カナダの時はその前のアメリカでの町田樹(たつき)選手の優勝を見て、プレッシャーや緊張感もあり、『パトリックに勝ちたい』という思いが強かったですね。その後、高橋大輔選手がNHK杯で優勝して、(総合ポイントの)上位をとるのが大変になったので、ファイナルを目指すというより、今できる自分のことに集中しようと思いました。

 昨シーズンだったら、前半のふたつの大きなジャンプでミスをしていたら、気持ちが落ち込んでいたと思いますが、今回は演技の後半に落ち着いて修正できた。カナダからの2週間弱で、SPだけでなくフリーでも少しずつ完成度を高めていけていると思うので、次はファイナルに向けて、もっといいプログラムを作っていけるかなと思います」

 こう話す羽生の前に、今回もチャンが立ちはだかった。チャンはフリーのすべての要素で加点をもらい、芸術要素の5コンポーネンツもすべてが9・39から9・86点まで獲得する完璧な演技。フリーは196・75点、合計では295・27点という世界歴代高得点を獲得して完勝した。

 ジャンプで少々軸がブレ気味になっても、きれいに跳んでしまう技術の高さ。スローな曲でもメリハリを付けた重厚なスケーティングで、技と技のつなぎでも常に表現を意識する滑り。スピードとキレで高い評価を得ている羽生も、重厚さという面ではなかなか対抗できないだろう。

 それについて羽生は「スケーティングは人によって違うもの。パトリック選手のスケーティングはものすごく力を使うが、小塚(崇彦)選手のようにエッジに素直に乗ってスーッと行くスケーティングや、高橋選手のようにものすごく滑らかなスケーティングもある。その中で誰のタイプをというのはないが、強いて言えば高橋選手のような、力を入れなくても流れに乗っていけるようなスケーティングを目指したいと思います」と話す。


それでも、パトリック・チャンという絶対王者との戦いを経験していくなかで、今回のSPでは彼の存在感や同じ大会で滑るプレッシャーに左右されずに「自分の演技ができたことが大きな収穫」と羽生は言う。

「(今回のチャンのように)SP、フリーともノーミスというのは、スケーターにとって稀(まれ)なこと。その舞台に一緒にいられたというのは光栄なこと。彼は雲の上の存在ですけど、その演技を見たことで、『自分はもっと頑張らなきゃ』と思える部分がありました」

また羽生は、SPの後の記者会見での「曲や音を表現するために、膝の使い方を意識している」というチャンの言葉が「衝撃的だった」とも言う。

「スケーティングではただ滑っているだけではなく手や上半身を使いますが、彼の場合は下半身でもしっかりと曲やリズムを表現しきれているんです。ものすごく高度な技術ですが、『そういうこともできるんだ』と思いました。そして、それができるからこそ、点数も伸びるんだと」

さらにカナダ大会では、チャンが19歳で挑んだ2010年バンクーバー五輪の時の話も聞けたという。

「そういうことは演技終了後の記者会見の場でしか聞けないことだと思うし、ものすごく勉強になった。今シーズン、英語が少しずつわかるようになっているので、海外の選手の言葉にも耳を傾けられるようになった。そういう点で、すごく利点になっていると思います」

 今季出場したGPシリーズで、世界王者のパトリック・チャンと同じ時間を過ごした羽生は、この2大会で、勝利すること以上の貴重な収穫を得たといえる。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





羽生結弦に満ちあふれる新しい強さ 18歳から19歳へ、変化する戦い方
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/figureskate/all/1314/columndtl/201311190003-spnavi
2013年11月19日 14:20

GP2戦で王者と対戦 気付いた心
「集中の仕方が変わってきたのかも。バランス……ですかね」。フランスでのエリック・ボンパール杯(11月15~17日)を終えて、あと3週間で19歳を迎える羽生結弦(ANA)は、自身の精神的な変化に気づき始めたという。それは、今季の羽生を語るうえで重要なヒトコトだった。

 今季、羽生はGPシリーズ2戦とも、世界王者のパトリック・チャン(カナダ)との対戦となった。チャンに対するライバル心は明確だ。昨季のNHK杯でマークしたワールドレコードの95.32点を、13年世界選手権でチャンに更新されている。初戦のスカートカナダ(10月25~27日)の前に羽生は、こう息巻いた。
「絶対にパトリックには勝ちたい。昨シーズンはワールドレコードを塗り替えられてしまったし、悔しい!」

 発言だけではない。6分間練習ではチャンの姿が目に入ると、過度にワールドレコードを意識してしまった。結果、ショートはルッツが1回転になり3位発進。13年四大陸選手権から4戦連続でミスのある演技となり、自己ベスト更新は遠のいた。フリーも、4回転サルコウで転倒すると後半に向けて立て直せず、トリプルアクセルが1回転半に。チャンと約30点差の2位に終わった。

 練習拠点のトロントに戻ると、ブライアン・オーサーコーチの助言に耳を傾けた。
「ユヅルは心のエネルギーを使い過ぎている。何週間も前から、パトリックとの対戦に気合いが入っていた。もっとリラックスして、試合直前に集中することが大事だ」

 羽生もほぼ同様に自身を分析した。
「パトリックに勝ちたい気持ちが強過ぎたし、スケートアメリカの町田(樹)君の演技が良かったことも、プレッシャーになっていた。周りを見過ぎて自分のことが見えていない。もっと自分を客観視して、心や脳を自分のことに向ける必要がある」 


ミス後に見せた大人の一面 

そう決意して臨んだフランス杯。試合前の6分間練習でチャンに気を取られることはなく、むしろ自分に集中しすぎて、珍しく他の選手にぶつかりそうになる場面もあるほどだった。

 ショートでは、直前に滑ったチャンが98.52点で自身が持つワールドレコードを更新。大喝采は耳に入ったが「自分に集中していた」と言い、落ち着いて氷に降り立った。4回転トゥループを含むすべてのジャンプを成功させると、自己ベストを0.05点更新する95.37点をマーク。昨年12月の全日本選手権以来、5試合ぶりとなるノーミスの演技だった。

「スケートカナダとは全然気持ちが違いますね。得点ではパトリックに及ばなかったけれど、自分の中でやりきったという気分。順位ではなく、自分ができること、自分が積み上げてきたものを本番で出そうと思いました」と笑顔を見せた。

 フリーは、さらに大人の一面を見せた。自身が最もこだわっている4回転サルコウは跳ぶ直前にミゾにハマる不運で1回転になり、得意の4回転トウループも焦って転倒した。しかし、ここからが違った。

「しょうがない、次を跳ばなきゃ」 

何度も自分にそう言い聞かせると、後半になるにつれてパワーがみなぎっていく演技で、4回転以外はパーフェクト。難しいステップからのトリプルアクセルや、気迫溢れるコレオシークエンス、安定感のあるスピンなど、後半の技には最高評価の「+3」を付けたジャッジもいた。終わってみれば総合263.59点、自己ベストまで0.7点という高得点だった。 




勝ちたい、悔しい――でもまず自分の演技を

「今までだったら4回転のミスで落ち込んでしまうところを、ちゃんと後半に向けて落ち着いて修正できました。今回の試合までハードに練習してきた効果です。練習では、ジャンプに集中するのではなく、スピン、ステップや振り付けを丁寧にやった上でジャンプを跳ぶという方法をやってきていたので、本番でもよく身体を動かすことができました」

 オーサーコーチも、目を細めてこう言った。
「今まではユヅルはジャンプに気を取られて、振り付けをちょっと省いてしまうところがあったけれど、今回は最後まで情熱的で強い滑りをした。ユヅルはまだ18歳。普通ならまだジュニアでもいい年なのにシニアのトップにいる。試合の経験を通して、少しずつ精神的に成熟していく時期だ」

 それに、といってオーサーは続ける。
「僕自身、五輪でメダルを獲ったのは22歳と26歳の時。もっと練習に自信を持ち、自制して試合に臨むのが、チャンピオンの心構えになる。そのガイド役として、彼を五輪に導きたい

 試合から一夜明け、羽生はあらためてこう振り返った。
「パトリックという大きな存在がいても、流されずに自分の演技ができたのが大きな収穫。フリーは、4回転サルコウが決まれば技術点で100点を超える自信があります。高橋(大輔)君、町田君、パトリックと意識するのではなく、自分の演技をして結果がついてくればいい。勝ちたいですし、悔しいし、強くなりたいし、久々に金を見たいという気持ちもある。でも自分の演技をすれば絶対勝てる、自分に集中したいと思うようになった。バランスですね。集中の仕方がちょっと変わってきたのかもしれないって思います」

 世界選手権の表彰台に2年連続で立つ難しさも、世界記録を更新し続ける重圧も、18歳になって経験した。GPファイナルの最終日は誕生日だ。19歳の羽生結弦は、新しい強さに満ちあふれている、そう思わせる1戦だった。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



2013年11月19日 読売新聞の記事より



チャン選手のスコア295・27点、すごいですね。

このスコアを見た時、正直気が遠くなりました。これじゃ誰も勝てないよと。

ライスト放送で、チャン選手の演技に拍手を送るミハル・ブジェジナ選手が映し出されていましたが

彼は、感嘆とか畏敬の念とが入り混じったなんとも言えない表情を浮かべて拍手していました。

その姿が今でも印象に残っています。



この2大会で結弦くん、とても得難い経験をしましたね。

悔しくて辛い経験ですが、この経験は今後必ず結弦を助けてくれると思います。


オーサーコーチの言葉も嬉しいです。

そうですね。今は焦らずに少しずつ精神的に成熟していく時期ですね。

また、チャン選手との30点差についても「結弦がフリーの4回転ジャンプを含め完璧な演技をすれば追いつける」と。

結弦くんも技術点で100点を超える自信があると言っていますし

「自分の演技をして結果がついてくればいい。でも自分の演技をすれば絶対勝てる、自分に集中したいと思うようになった」 と言っています。


あの試合後、戦意喪失してもおかしくない状況下で こう発言する結弦くん。もう頼もしい限りです。

すごいよ、結弦くん。

この言葉に今回また惚れ直し、いままで以上に応援したいという気持ちになりました!

次はファイナル。結弦くん頑張ってね!





読んでくださってありがとうございます嬉しい

画像と記事は全てお借りしています。