セルゲイ・リロフ(アゼルバイジャン・24位)
トゥジャンプがことごとく抜けたりしてなかなかトリプルジャンプが決まらない。3Aは回転不足でステップアウト。
3回目のルッツ挑戦でようやく決まり、その後は3T2連続のシークエンスで締めた。
スケートが本当に上手いと思う。ソ連時代に培われたものなのでしょう。…と思っていたら「規定の女王」ことキラ・イワノワを指導したクドリャフツェフコーチに師事していたこともあったのですね。納得。
彼に足りなかったのは自信だったのかもしれない。
キスクラではショートに続き再びお通夜状態に。
当時26歳。
この直後の世界選手権が最後の試合となったようで、現在はコーチ業をしているらしい(彼の演技がYouTube上がっていて、生徒さんと思われる人がコメントを書き込んでいた)
竹内洋輔(日本・22位)
ターザンより
ショートで失敗した3Lz-3T、3Aをクリーンに決めました。
4Tは回転不足で転倒しましたが、ナイストライだったと思います。
2度目の3A、3Fは転倒こそしましたが、悪い印象は抱きませんでした。
終盤、少し疲れた様子を見せましたがスピード感あふれる滑りでリンクいっぱいにターザンの世界観を表現して、力いっぱい駆け抜けました。
ショートの失敗を払拭したい思いが伝わってきましたし、本人としてもやり切ったのではないでしょうか。
全日本よりいい演技だったと思います。
当時22歳。
この直後の世界選手権をもって引退。
大学卒業後は音楽の道を…と若さあふれる発言をしていたようですが笑、スケート連盟に残り、現在はスケート連盟強化部長。
風貌に貫禄がついてきています。
ドミトリー・ドミトレンコ(ウクライナ・18位)
冒頭、恐らく4Tを予定していたようですが3Tに。3Aを2回跳んで着氷。
転倒というミスはなかったものの、全体的に回転不足気味や両足着氷のものが多かったです。
独特な振付ですが、上半身の振りに対して足元が弱い感じがしてしまいました。
当時28歳。
この直後の世界選手権を最後に引退。
現在は振付師、コーチとして活動しています。
どうか無事でいてほしいです。
ジャン・ミン(中国・16位)
4回転を決めまくった。他のジャンプにちょいちょいミスはありましたが。
ショートの失敗を払拭しようと頑張りました。
…が、4回転を比較的クリーンに決めたものの、今度はプログラムの余白が気になってしまいました。
4回転のためのプログラム、というか。
滑りの質は綺麗な方なので、もう少し凝った振付や表現が欲しかった。
当時25歳。
新採点へ完全移行後は4回転に挑む選手が一時期減りましたが、彼は関係なく挑み、成功させていました。
その弊害でしょうか、他の要素が少しおざなりになっていたようにも見られてしまい、ジャンプがよくても他の要素で加点が得られず、評価が中々上がりませんでしたね。
トリノ五輪は、彼にとって不利な採点ながらも4回転を成功させて自己最高の10位、2006年世界選手権では出場選手中ただ一人2種類の4回転を30歳になっても尚成功させて、先駆者の矜持と存在感を見せて、引退していきました。
ゲオルゲ・チッパー(ルーマニア・23位)
SPの時は気が付かなかったが、エッジに乗れていないように見えますね。だからカーブを多用しようとしているんだけど不安定な滑りに見える。
エッジに乗れていない+スピードも出せていない。
ショートが悔しい出来だったので慎重に滑っていたのだろうか。
スピンも遅いし。
転倒が3回あったとはいえ、竹内さんとあまり変わらない評価というのはどうなんでしょうか。
新採点ならもっと下げられていたかも。
3Aは1回目成功、2回目ステップアウト。ルッツが成功することはありませんでした。
当時23歳。
トリノ五輪にも出場。2006年に引退。
現在は、スイスにあるスケートアカデミーにてコーチ業をしているそうです。
ロマン・スコルニアコフ(ウズベキスタン・19位)
…滑りを見る限り、癖のないスケートですよね。かと言って上手いとは思いませんが…。
なぜ息子さん(イリヤ・マリニン)はあんなにも滑りが下手くそなのか笑。
1回目の3Aは成功、2回目はすっぽ抜け。
ルッツで転倒したものの、本人なりに納得できた演技だったようです。
当時26歳。
2003年世界選手権にて引退。
アメリカ代表のイリヤ・マリニンの父で、現在はアメリカでスケートコーチをしています。
マリニナの方が3歳年上の姉さん女房なんですね。