恩田美栄(日本・17位)

ファンファーレより

…彼女の演技はフィギュアスケートか、と問われるとそうではない、と答える人もいるかと思います。

でも、私は2005年全日本の演技と共に、この大会のフリーも好きですね。

正直、スケーティングはジュニア…いやノービスと言われてもまぁ文句は言えない出来ではありますが、終わった後の笑顔を見るとそんなことはどうでも良くなってしまう、というか。

3Aは回転不足で転倒。高さは十分すぎるくらいあったのですが、幅があまりないのでそこさえ克服できていれば、もしかしたら成功していたかも。

3Aの失敗を引きずることなく、5種類のトリプルジャンプをきっちり揃えました。

まぁ、何がともあれお手本のようなジャンプ。エッジもクリアだし、トゥジャンプの魅力を正しく再現できていた選手です。

ウィキペディアには「スピンが苦手」とありましたが、そうは思わないですけど。

レイバックのような柔軟性が問われるものが苦手だっただけで、その他のスピンは問題なくこなしているように見えました。

当時19歳。

この直後の世界選手権では自己最高の5位。

2002-3シーズン前半は絶好調だったのですが、怪我やジュニア選手達の台頭により徐々に苦戦を強いられるように。

2005年の全日本フリー演技は正に一世一代の好演技でした。

2007年に引退。現在は地元愛知でコーチ業をしています。


レティシア・ユベール(フランス・15位)

オリンピックの女神は最後まで微笑んでくれませんでした。

冒頭のルッツで転倒。モヤモヤした空気だったところに3Lz-3Tにチャレンジしてきました。

元々は、これくらいの力はある選手なのですけど。

終盤のサルコウも回転不足&両足。

プレゼンテーションは、スピードがあったのと前滑走者の恩田さんとの比較だったのか笑、そんなに悪くない点数でした。

当時27歳。

この直後の世界選手権を最後に引退。

現在はテクニカル審判、コーチとして活動しています。


ガリーナ・マニアチェンコ(ウクライナ・12位)

アクセルが2本とも抜けてしまった。

SPの方が失敗はあったものの、いい演技をしていたと思う。

衣装はいつも素敵なんだけど、演技がなかなかそれに追いついていっていない選手という印象笑。

当時22歳。

トリノ五輪にも出場。2006年に引退。

…今、どうしているのでしょうか。戦禍の中に置かれているのか、それとも海外に移住しているのか…心配ですね。


エリナ・ケットゥネン(フィンランド・11位)

ショートの失敗を取り返す好演技。トリプルジャンプは3Tが入っていなかったが、多分序盤でサルコウが2回転になって、中盤リカバリーでもう一度サルコウを跳んだせいでしょう。

スケーティングもキレイだし、姿勢も良い。

もう少しメリハリのあるプログラムなら、もっと評価が上がっていたかも。

実況の刈谷さん、解説の樋口先生共に点数の低さに首を捻っていたくらい可能性を秘めた選手でした。

当時20歳。

2004-5シーズンを最後に引退。

現在は理学療法士として活動しているそうです。


エレーナ・リアシェンコ(ウクライナ・14位)

冒頭、高さのあるルッツを決めて会場を沸き立たせたものの、徐々にミスを連発してしまい…。

ただ、プログラム自体はこれまで登場した選手たちよりも、細かい振り付けを実施しています。

当時25歳。

トリノ五輪にも出場。

リレハンメル、長野、ソルトレイクシティ、トリノ、4大会連続出場とフランスのユベール並みに息の長い活躍を見せてくれました。

マニアチェンコ(エフレメンコ)同様、現在が心配ですね。

戦禍の中にいるのか…海外に脱出しているのか。

どうか無事でいてほしいです。