ロックとは? | 余白やの余談

ロックとは?

和久井光司の『ビートルズはどこから来たのか』読了。最後の部分などはやや駆け足の感があるけれど、これは力作評論でした。ロックンロールとロック、ポップスとポップ、ビートルズとディランの関係の丁寧な読み解きは大変面白くて、この本の元になった講演を聴いてみたかった。キー概念のアイリッシュとかケルトのイメージというか理解が私は希薄なので、もう少し勉強しなくてはなりませぬ。

 それにしても自分がリアルタイムでロックを聴いていたのは68年から71年までのことでしかないのね、とあらためて思い知りました。年末に書棚周辺で70年頃のニューミュージックマガジンを何冊かちょい読みしたときに、当時20歳前後の読者の手紙(毎号の最後に何通か紹介されている)が興味深かったのだけれど、あのいわく言いがたい「熱さ」には当時結構影響されてたように思います。ほんの数年前に生まれたロックが微妙な時差や誤差を伴いながら日本に届いた、そんな頃の空気をちょっと思い出しました。著者大推薦の中村とうよう編のコンピ『ロックへの道』をポチ買い(これはアナログでは持ってなかった)。