このブログ記事を書いてる2022年(令和4年)3月も末日となり、
年度替わりを迎える現在も、ロシアが先月2月にウクライナへ
侵略して勃発した戦争は、いまだ収まる気配はありません。

このウクライナ戦争が始まった先月の時点でも、
中東やアフリカでの紛争・戦争は続いてましたが、
これらはあまり世間の耳目を集めていませんでした。

これは思うに、ウクライナがいわゆる白系の民族として
西欧社会を構成する主だった人たちと広い意味で同族であり、
文化レベルも先進諸国と同程度と見なされているからだろうと
ふと思ったりします。

だから何なんだと、結論じみたことを
ここで開陳するつもりはありませんが、
ある意味、人類というものは、根底では
平等とは見なされていないのだろうなと
少し寂しい気持ちになったりもします。

それはさて置き、ティーンエイジの頃に
写真家になりたいと憧れていたことのある私は、
戦争という言葉から、かつて戦争報道取材で活躍した
写真家集団マグナムをいつも連想してしまいます。
ロバート=キャパらが所属してグループです。

普段はお堅い報道写真をメインに活動していた彼ら彼女らが
その本業などの合間に撮影した犬の写真を収めた
「MAGNUM DOGS マグナムが撮った犬」
という一冊を最近手に取る機会がありました。

マグナム①_2021.12.01

普段、戦場や事件・事故の現場に立ち会う場面の多かった
マグナムのフォトグラファーたちは、どんな気持ちで
犬と人との微笑ましいショットをものにしていたのか、
想像するこちらも楽しくなってしまうような作品の数々です。

マグナム③_2021.12.01

ごくごく一般の市井の人&犬を撮ったものもあれば、
著名人の撮影の合間に、その愛犬との戯れを捉えたものも。

マグナム②_2021.12.01

人間ではない動物と無心に交わり合うひと時に、普段なら

他人には見せないような表情を覗けたりすることもあります。
皆、とても優しい眼差しになっているんですよね。
相手を慈しむような。

マグナム④_2021.12.01

そう言えば、上の写真のオードリーは、
晩年は特に慈善活動に熱心でしたたよね。
越境者でもある彼女は、戦争で一般市民が
被る痛みをよく知っていたことと思います。

この度のウクライナでの戦争に関する報道の中には、
戦火を逃れて避難する人々が伴っている犬などの
ペットに焦点を当てた映像もいくつか見られました。
ひと昔前にはなかったように記憶していますので、
これは21世紀型の戦地報道なのかなと感じます。


[上記引用:日経ナショナルジオグラフィック社 2021年11月 ]


[ 2022.03.31(木)日刊 ]