師走、12月になりました。
2019年も残り1か月ですね。

先日、所用で弁護士会館を訪れた際、
眺めのよい窓から日比谷公園を見下ろすと、
園内の樹木はすっかり紅葉して綺麗でした。
 
日比谷公園の紅葉_2019.11.28

こうして見ると、ペニンシュラホテル、ミッドタウン日比谷、日生劇場、
東京宝塚劇場、帝国ホテル、東京電力本社、みずほ銀行本部ビルなど、
そうそうたる建物を背景にした豪華な紅葉のシチュエーションと言えますよね。

こうした景観を目にすると、秋もすっかり深まってきたと感じますが、
ここ最近の東京は、最高気温が10度程度にしか届かない日もあり、
体感的には、すっかり冬という印象ですね。

今年は10月になっても夏日が何度もあり、
それが収まって秋らしい季節を感じられたのは、
ようやく11月に入ってからと遅かったこともあるので、
それから1か月で秋が終わってしまった感があります。

これは、地球温暖化の影響なのでしょうか。
スウェーデンの環境活動家グレタ=トゥーンベリさんや
ヨーロッパから国連のあるニューヨークへヨットで渡る人などが
二酸化炭素排出量や化石燃料使用の削減を強く訴えています。

他方で、彼女たちが着ている衣服や使っているヨットに使われている
合成繊維や合成樹脂は化石燃料由来のものなのだから、所詮、
私たちは化石燃料使用の呪縛から逃れることはできない、
とうそぶく人もいます。

確かに、エコで環境に優しい電気自動車に充電する電力が、
石油を燃やす火力発電で作られているものであるなら、
なんだかなぁ~と思う人も多いことでしょう。

けれど、風力発電などで作った電力を電気自動車に供給すれば、
交通インフラとしては相当エコなものになるように思えます。

ただそれでも、風力発電で使う羽には合成樹脂が使われているのではないか、
電気を送る送電線の外側を覆う被膜にも合成樹脂を使っているではないか、
電気自動車のタイヤのゴムも石油由来の化学合成物ではないか、
と次々といちゃもんをつけてくる人がいるかもしれません。

こうして考えると、結局は、ゼロか百かといった両極端な議論をするべきではなく、
できるだけ二酸化炭素排出量を削減していく、徐々に減らしていくという方向性が、
これから求められるべきものであると強く感じます。

何事もあまりキッチリ考えすぎると、かえって物事が前へ進まなくなります。
そもそも、地球温暖化は、二酸化炭素排出量の増加が原因なのか疑わしい、
と主張する人たちもいまだに少なくありません。

何事も程々に、と言うと、ちょっといい加減なように聞こえるかもしれませんが、
極端や過激を排し、偏らないことを重んじる中庸(ちゅうよう)の精神が、
将来に向かって環境問題を解く鍵なのではないかと思えてきます。

そういう意味では、今から2500年も前に中庸の概念を説いていた孔子は、
改めて偉い人なのだと再認識します。温故知新ということですかね。
そう言えば、この言葉も孔子の 「論語」 にある故事成語ですね。
 
 
[ 2019.12.01(日)日刊 ]