71.「弥勒の掌」我孫子武丸 | 町に出ず、書を読もう。

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物語がないと生きていけない。社会生活不適合者街道まっしぐら人間の自己満足読書日記です。

71冊目

「弥勒の掌」

我孫子武丸

文春文庫




弥勒の掌 (文春文庫)/文藝春秋
¥580
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愛する妻を殺され、汚職の疑いをかけられたベテラン刑事・蛯原。


妻が失踪して途方に暮れる高校教師・辻。


事件の渦中に巻き込まれた二人は、やがてある宗教団体の関与を疑い、ともに捜査を開始するのだが…。


新本格の雄が、綿密な警察取材を踏まえて挑む本格捜査小説。


驚天動地の結末があなたを待ち受けます。




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久々に読んだ気がする我孫子作品です。




いやー、こいつはすっかりやられてしまいました。




シンプルな仕掛けながらも、見事な驚天動地。




最後の最後、真相が明かされるちょっと前にようやく気付きましたけど、




「おおお、そういうことか、アレもコレも伏線なのか。ちっくしょう、見事にやられちまったぜ」




という感じの、爽快なカタルシス。




こういうのは予備知識なしで読んだ方が楽しいと思うので、あらすじを追加したりはしませんが、新本格初期の気風を濃厚に感じる良質のミステリーでした。




まあ、ただ、カタルシスが爽快な割に読後感が悪いんですけどね。




個人的にはこういうの好きだけど・・・。