65.「JORGE JOESTAR」舞城王太郎 | 町に出ず、書を読もう。

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物語がないと生きていけない。社会生活不適合者街道まっしぐら人間の自己満足読書日記です。

65冊目

「JORGE JOESTAR」

舞城王太郎

集英社



JORGE JOESTAR/集英社
¥1,995
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ジョナサン亡き後、カナリア諸島ラ・パルマ島でエリナと暮らす少年ジョージ・ジョースターは、リサリサと愛を誓い、成長してパイロットとなり世界大戦の空を駆る。


その一方、日本では福井県西暁町のジョージ・ジョースターが運命とともに杜王町へ向かう…。


超ドドド級スケールで描く「舞ジョジョ」ここに誕生。




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「ジョジョの奇妙な冒険」の世界観に則って、当代の人気小説化が手腕を振るう「vs JOJO」第三弾。




満を持しての、舞城王太郎の登場です。




いや、これはね、多くを語ることはしますまい。




先程、「世界観に則って」と書きましたが、むしろ「世界観を乗っ取って」、物語を舞城ワールド一色に染め上げた手腕はもう、見事の一言でした。




第一部主人公・ジョナサンの子であり、第二部主人公・ジョセフの父でもあるジョージの話ということで、第二部に影響を与えないようにしつつも、ジョジョ読者をにやりとさせるようなリンクを見せるような、そんな物語なのかと最初は思ったのですが、舞城がそんな分かりやすいことをするはずもなく。




第一部・第二部どころか、第七部までを股に掛けた壮大なストーリーと超絶展開。興奮・驚愕の連続でした。




700ページ超の分厚い本でしたが、それが短く感じるくらい盛りだくさんで、まだまだもっと読んでいたい、なんでもう終わるんだ、と悲しくなったくらい熱中して読みました。




とはいえ。




これは、ジョジョも舞城も好きな私が書いた感想なわけで。




読書メーターで、「ジョジョ好きだけど舞城未経験者」とか「舞城ファンだけどジョジョは分からない」とかいう人たちがもう、この作品をけなしてることけなしてること。




それらの感想がもう、本質を理解してない浅い解釈だったり、枝葉末節な部分にくどくど文句を言ってるものだったり、全否定だったりと、こちらからすれば理解不能なものばかり。




いや、まあね。




他の作品でも、多かれ少なかれそういうのがあるのは当たり前だってのは当然分かってるんですけど。




だから本来はこういう(自分にとっての)雑音なんて流すに限るのだけど。



まあ、それだけこの作品の世界観に没頭したってことなんですけどね、私が。




だから、無粋を承知でひとつだけ反論しておきたい。




原作レ○プだなんてどこに目をつけて、どこに脳をつけてほざいてるんだよ!


行間からほとばしる、ジョジョへの愛と尊敬がなぜ見えないんだ!


そもそもこの企画は「vs JOJO」だろうが!創作者と創作者のガチンコの戦いなんだ!

「原作ファンの方々のご機嫌を損なわぬよう、そこそこのもの書かせて頂きました」


なんて卑屈な気持ちでなんて誰も書いてないんだよ!


原作と違うものが嫌なのなら読むなよ。原作だけ読んでろよ!




・・・・・・ふう(すっきり)




さて、爽快な気持ちになったところで、レビューを終えましょう。




もう十二分に伝わったと思いますが、万人に受ける作品ではありません。




特に、ジョジョ好きだけど舞城はあまり知らない、とか、舞城は嫌い、とかいう人は、読まない方が無難かもしれません。




でも個人的には、名作!