52冊目
「The Book jojo's bizarre adventure 4th another day」
乙一
集英社 JUMP j BOOKS
- The Book jojo’s bizarre adventure 4th another d.../集英社
- ¥880
- Amazon.co.jp
その日、広瀬康一と岸辺露伴は、血まみれの猫と、そして死体に遭遇した。
それは、杜王町で起こった、“本”を中心とした事件のはじまりだった――ー。
乙一が渾身の力で挑んだ“ジョジョの奇妙な冒険”第4部の小説が新装版で登場。
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以前に感想を書いた西尾さんの
と上遠野さんの
同様、「ジョジョの奇妙な冒険」を元にした小説です。
ただこの本は、現在の「vs JOJO」と銘打った一連の作品より、かなり前に書かれたものなんですよ。
この本も、元々はハードカバーで出てたし。
当時も買おうかどうか悩んだ挙句、価格が高かったので結局買わなかったのですが、このたび新装版で値段的にも安くなったので買ってみました。
いやー、これはかなりのクオリティーですよ。
登場人物や舞台が「ジョジョ」だという前提があるにせよ、物語の進み方や登場人物の思考や行動がとってもジョジョっぽくて、何度も感嘆のため息をつきました。
特に凄いなと思ったのが、外に出ることのできないビルの隙間に落とされた女性と、突き落とした男性とが根競べをする場面です。
と言っても、それだけじゃ意味不明だし、あんまり詳しく言うとネタバレになりますよね・・・
まあ、ふんわりというと、男性は、女性にはこのまま死んでもらいたいのだけど、その前にどうしても聞き出さないといけないことがあるため、食べ物や生活物資などを差し入れしなければならず、それを分かっている女性は、男が投げ込んでくる物資で命をつなぎながら、脱出する方法を模索している、というような感じなんですけどね。
この知力と精神力のせめぎ合いがまあ、とても面白くて面白くて。
しかもそのエピソードが世界観にしっかりフィットしているので、小説の中に、というか「ジョジョの奇妙な冒険」のなかにどっぷり浸かったままで一冊読み終えたような印象でした。
仗助や康一をはじめとする4部の面々もほぼオールキャスト出演で、それぞれに見せ場が用意されているのもファンとしては嬉しいところでしたね。
しかしまあ、ジョジョが素晴らしいのか、著者たちの筆力とジョジョ愛が素晴らしいのか、まあ両方なのでしょうかけど、このコラボは外れナシです。
もっといろいろな人が書いてほしいなぁ。