49冊目
「遠に呱々泣く八重の繭 薬屋探偵怪奇譚」
高里椎奈
講談社ノベルズ
- 遠に呱々泣く八重の繭 薬屋探偵怪奇譚 (講談社ノベルス)/講談社
- ¥840
- Amazon.co.jp
「彼に関わると不幸に遭う」
呪いの噂が流れる中学校で不気味な転落事故が発生!
人間の仕業とは思えぬ事件、糸を引くは妖か?
妖怪雑事相談所「深山木薬店」店長・秋は、店員の座木を教師として潜入調査させることに。
だが赴任直後、新たな事件が発生!!
現場の状況から、なぜか座木が犯人だと疑われてしまう。
秋は真犯人を発見できるのか!?
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中学校で起こった不可思議な事件を調査するため、非常勤講師として学内に赴き潜入調査をする座木。
何かを隠していそうな生徒たちや、一癖も二癖もある教師たちに苦戦しながらも、日々調査を続けていたのだが、ある日、秋とリベザルの消息が絶える。
実はその時、二人は身代金目的の立てこもり事件で人質となっていて・・・という話です。
このシリーズは、毎回教訓というか、テーマみたいなものが提示されるのですが、今回は「空いた穴をどうやって塞ぐのか」。あるいは「空いた穴は塞がなくてはならないものなのか?」というような感じなのでしょうかね。
システムを維持するため、空いた穴を埋めることは場合によっては必要不可欠ではある。しかし、大きく空いてしまった穴を、塞げればいいと手段を顧みずに塞ぐことは正しいのか?それによって、本質は見失っていないか?
また、可逆的な穴を一時的に埋めるならまだしも、不可逆的な状況で穴だけを腐心して埋めたところで、何か得ることはあるのか?
とか、そんな感じの。・・・まあ、あんまり言うとネタバレになるのでやめときましょう。おもいっきり物語後半の話だし。
まあとりあえず、秋が店長に返り咲き、以前の深山木薬店に戻ったような感じですね。
長命な妖と違い、前シリーズで登場した人間たちはだいぶ年を食っていて、あまり登場もしなさそうではあるのですが、今回は名前だけですが高遠が!
もう高遠にだったら正体バレてもいいんじゃないかなぁ。と思わなくもないので、さらにオッサンくさくなったであろう切れ者朴念仁を再登場させていただきたいものです。