38.「暗闇を見よ」 | 町に出ず、書を読もう。

町に出ず、書を読もう。

物語がないと生きていけない。社会生活不適合者街道まっしぐら人間の自己満足読書日記です。

38冊目
「暗闇を見よ 最新ベストミステリー」
日本推理作家協会・編
カッパ・ノベルズ

最新ベストミステリー 暗闇を見よ (カッパ・ノベルス)/光文社
¥1,365
Amazon.co.jp


「暗闇」「闇」をテーマにしたミステリーのオムニバス短編集です。




収録作品は、


赤川次郎「隣の四畳半」

飴村行「ゲバルトX」

乾ルカ「ちゃーちゃん」

歌野晶午「おねえちゃん」

北村薫「三つ、惚れられ」

倉知淳「猫と死体の街」

柴田よしき「雪を待つ朝」

辻村深月「十円参り」

法月綸太郎「引き立て役倶楽部の陰謀」

平山夢明「吉原首代売女御免帳」

道尾秀介「冬の鬼」

柳広司「ろくろ首」

米澤穂信「身内に不幸がありまして」



という錚々たる布陣。




数が多すぎて一つ一つの感想など書けませんけど、これだけ色々な作品を一気に読むと、「闇」にもいろいろあるのだなぁ、と感慨を抱いてしまいます。




「おねえちゃん」「十円参り」「身内に不幸がありまして」のように、短い中にもきっちり伏線の張ってあるものがやっぱり好きですね。




あと、身近な怖さというか、物語ではなく現実の延長線上にありそうな「ちゃーちゃん」や「三つ、惚れられ」にはぞくりとしました。




倉知さんの「猫と死体の街」や法月さんの「引き立て役倶楽部の陰謀」は、相変わらずだなぁ、なんてにやりとしてみたり。




そんな中でも触れずにいられないのが、「ゲパルトX」です。




もう、何なんでしょうかね。このグロ表現に込める情熱は。




と言っても私は「粘膜蜥蜴」しか長編は読んでないのですが、飴村さんは『ホラー作家』というくくりではなく『スプラッター作家』と呼んだ方がふさわしいのではないか、と改めて思いました。




個人的にはどっちかというと好きな部類に入るのですがねぇ・・・




盛り沢山で大満足の一冊でした。