14.「Story Power 2012」 | 町に出ず、書を読もう。

町に出ず、書を読もう。

物語がないと生きていけない。社会生活不適合者街道まっしぐら人間の自己満足読書日記です。

14冊目
「Story Power 2012」
新潮社



「Story Seller」などでお馴染み、新潮別冊のオール書き下ろし短編集。



しかも、「物語の力」という主題で編んだ、力溢れる短編集第2弾です。



収録作品は

「心変わり」恩田陸
「あまりぼっち」舞城王太郎
「ベッドサイド・マーダーケース」佐藤友哉
「あたらしい熊」いしいしんじ
「K氏の、いくぶん長すぎるつぶやき」長野まゆみ
「募金泥棒」嶽本野ばら
「高村と偏見」川島誠
「“ゲンパツ”が来た!」真山仁
「迷わし神」宇月原晴明
「助けて」橋本治

の10編です。



正直、あんまりがっちりと食指が動いた本ではなかったのですよ。



舞城さんが書いてるから読みたいなと思ったものの、立ち読みでもいいかななんて思ったり。



そもそも、表紙にある「元気の出るお話、売ります。」というコピーにあんまりグッと来なかったし。



あ、そういうのは結構です。なんて思ってしまうひねくれものには向いてないかな、と。



でも、佐藤さんと宇月原さんも書いてるし、ということで結局購入。



結論から言うと、なかなかに粒揃いの短編集ではありました。



目当てで買った3人の作品はもちろんのこと、恩田さん嶽本さん橋本さんあたりのが良かったかな。



ただまあ、元気が出る作品集だったかと言われると、そんなことはなかったんじゃないかなぁ。



もちろん、ひとそれぞれ受け取り方は違うので一概には言えないのだけれども、こういうキャッチコピーにするのなら、もっと分かりやすく元気にさせてくれる作品、もしくは作家にすべきだったんじゃないかなぁ、とは思いました。



てなわけで、「元気の出るお話」を求めて読むのはあんまりオススメしないけれど、作品集としては良かったです。



……うーん、誉めてるんだか、貶してるんだか(笑)