8冊目
「恥知らずのパープルヘイズ」
上遠野浩平
集英社
ジョルノがボスを倒し、パッショーネを掌握してから半年後、ボスへの離反を拒否してブチャラティチームから抜けたフーゴは、かつて同じチームに所属し、今では組織の副長となっているミスタに呼び出された。
それは、かつてブチャラティチームを裏切ったフーゴに対して、改めて組織への忠誠を証明させる為であった。
ミスタはジョルノが推し進めている裏社会の清浄化の一環として、旧組織の負の遺産である麻薬チームを始末するよう、フーゴに命じる。
失敗は即ち死を意味し、命令に反することもまた、死を意味する。
フーゴは、同じく組織への忠誠を示すために加わった、シーラE・ムーロロの2名と共に、過酷なミッションへと身を投じるのだった。
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『ジョジョの奇妙な冒険』をご存知の方なら自明のことですが、ジョジョ第5部のスビンオフというか、クロスオーバーというか、そんな位置の作品です。
(実はスビンオフとクロスオーバーの違いを明確に把握できていないだけだったりする)
だから、あらすじがジョジョ第5部のネタバレになってることも、仕方がないと諦めることにしましょう。
まあ、実際のところは、ネタバレせずにあらすじを書ける自信がなかっただけなんですが…
いやー、それにしても、上遠野さんてだいぶジョジョが好きなんだなー、と思わざるを得ないような内容でした。
スタンド名やスタンド能力もそうだけど、ストーリー展開がとってもジョジョっぽい。
ジョジョの作者である荒木さんが原案を作って、上遠野さんが膨らませた。なんて言われたとしたら、うっかり信じてしまいそうなほど、クオリティの高い「ジョジョの奇妙な冒険」が繰り広げられていました。
しかも、フーゴを主役に据えたこと自体が、ジョジョファンにとっては嬉しいところです。
途中離脱して、その後は一切姿を見せなかったフーゴの行く末、というのはやっぱりみんな気になってたでしょうからね。
そのへんをきっちり補完してくれるってのも、ジョジョ好きな上遠野さんならではだな、と思いました。
荒木さんはフーゴのスタンド「パープルヘイズ」の使い勝手が悪すぎるためチームから離脱させた、という話をどこかで目にしましたが、だからこそ上遠野さんはフーゴをメインにしたのかな、とか思ってみたり。
ジョジョファンなら読んでおくべき作品ですよ。