6冊目
「恋物語」
西尾維新
講談社BOX
『片思いをずっと続けられたら―それは両想いよりも幸せだと思わない?』
阿良々木暦を守るため、神様と命の取引をした少女・戦場ケ原ひたぎ。
約束の『命日』が迫る冬休み。彼女が選んだのは、真っ黒で、最悪の手段だった…。
「物語」はその重圧に軋み、捩れ、悲鳴を上げる―。
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これは感想が書きづらい。何を書いてもネタバレになりそうだし。
なにしろ、語り部を明かすだけでも結構なネタバレになってしまうのだから始末が悪い。
まあとりあえず、シリーズ既読の人にはあらすじからして自明のことですが、未解決で終わっていた「囮物語」の続きみたいな話です。
勝算の見込みがほとんどない神様との戦いを控え、自分の感情や感傷を一切交えずに戦場ケ原が選んだ手段。
まさかそう来るか、と相も変わらずの予想を裏切る展開にびっくりです。
人智を越えた神様だからこそ可能なこと。
逆に、神様だからこそ出来なくて、人間のみに可能なこと。
お前はそれを天秤にかけた上で、人ではなく神になるという選択をするのか?
巡り巡ってそんなところに話は行き着くのですが、全体的には、複雑なことを単純に語り、単純なことを複雑に語るという西尾さんらしい話だったなと思いました。
さて、これでセカンドシーズンは終了。
最後に対峙するであろう相手が何となく明らかになってきたような気はしてきましたけど、やっぱりまた予想を裏切られるんだろうなぁ。
ファイナルシーズンを、楽しみに待ちたいと思います。