75冊目
「ネオカル日和」
辻村深月
毎日新聞社
新鋭作家・辻村深月が、人気アニメから伝統芸能まで日本の新(ネオ)カルチャーの現場を歩く初のルポ&エッセイ集。
興味のおもむくまま、今日の気分のまま。大好きな藤子・F・不二雄先生のこと、はじめて書いた小説のこと、幼い頃の思い出、趣味のショッピング、料理、映画のこと…。デビューから書きためた33編のエッセイとルポ10編に加え、ショートショートと短編小説4編を特別収録。
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作家・辻村深月の、小説以外の書き仕事集、といった風情の本です。
ルポ部分では、藤子ミュージアムや能舞台、さらにはアメトーークの収録現場まで、『興味のおもむくまま、今日の気分のまま』と言うに相応く、ジャンルを問わずに突撃取材をする姿が、ちょっと意外だったり。
いや、作品内容からしてもっと内向きな人なのかと思っていたので…
エッセイでも興味深いものが多く、中でも「この小説は私のことが書いてある。この作家さんは、どうして私のことをこんなに理解しているのだろう」と思ってしまうような作品に出会うことを『幸せな勘違い』と名付けたものが良かったです。
あと、去年妊娠・出産されたというのをこの本で始めて知りました。
いやはや、おめでたいことです。
大学を卒業してすぐくらいに高校生や大学生が主役の作品でデビューし、後には同世代であるアラサー女性を中心に据えた物語を書いた辻村さん。
今後、母親になったことでどのような作品が生まれるのか。
今から楽しみです。