45冊目
「楊令伝4 雷霆の章」
北方謙三
集英社文庫
ただでさえ「水滸伝」のネタバレをしないようにしながら書いてるのに、「楊令伝」のネタバレなんてできるはずもなく、書くことが本当になくなってきました。
そうも言ってられないので、まあ、ふんわりと書きましょうか。
「水滸伝」の最初らへんでは子供だった楊令が立派な武人となっている今作。
つまり、皆が皆、年齢を重ねているわけです。
そんな中には、老けたなー、変わったなー、と思ってしまう人たちもいます。
梁山泊側で言うとやっぱり公孫勝ですね。
なんかちょっと人生に草臥れたような感じがして、ちょっと心配です。
呼延灼は何か頑固親父みたいになってきてますし、張清もかなり落ち着いた印象になりました。
まあ、史進や白勝みたいにウザめの先輩風を吹かす連中も居ますが。
それ以外の陣営で言えばやっぱり童貫ですね。
楊令との再戦だけを人生の目標として、気を張っている印象。
一度緊張が途切れたら一気に老け込んでしまいそう。
童貫の右腕・趙安も結構お疲れです。
童貫ほど「戦こそ我が人生」と思い切れないところが、余計な心労になるのかも。
まだまだ先が長い「楊令伝」なので、これらの人たちがどうなっていくのかも非常に楽しみです。
では最後に、恒例の「今月の呉用さん」です。
とはいえあんまり面白いのはなく、
『・・・さまざな懸念が伝えられてきた。思わず気づかされることもあるが、うるさいと感じることの方が多かった。実戦の経験のない者の、頭の回し方なのだろう』
という部分ぐらいでしょうか。
ああ、また元のような扱いに・・・
各所で戦が繰り広げられ、呉用の出番が少なくなりました。
次巻の感想ではネタがなく、さりげなくスルーするかもしれません。と予防線を貼っておきまする。