42冊目
「楊令伝3 盤紆の章」
北方謙三
集英社文庫
さてさて、相も変わらずネタバレなしでやっていきます。
とはいえ、物語はまだまだ序の口。
梁山泊軍にしても、宋禁軍にしても、他の勢力にしても、戦で名のある登場人物が死んだりはしていません。
とはいえ、もう時間の問題かな。
軍は動き始め、各地で小競り合いは始まっています。
次巻あたりからは、そろそろ大きく動いて来そうな気配がプンプンですよ。
しかしまあ、全15巻の大長編であるとはいえ、これだけ前フリに紙幅を割いて、しかも全然飽きさせないというのは凄いなー。
というような、ふんわりした説明で敢えて終わらせておきます。
さて、ここでお待ちかね、「今月の呉用さん」のコーナーです(笑)
「水滸伝」では、もっぱら本陣から指示を出す立場だった呉用。
実は「楊令伝」では、最初から名を偽り、とあるところに潜伏中。
ある意味、誰よりも前線で行動しています。
そんな呉用の元へは、梁山泊の誇る飛脚網ですら辿り着くことはできず、かなりキナ臭い雰囲気。
きたるべき呉用救出作戦に向けて、足場を固めている戴宋と燕青が会話をするシーンで、こんな一節がありました。
『いればこれほどうるさい男はいないが、いなければ不安になってしまうのが、呉用という男だった。』
良かった。
呉用が誉められている。
まあ、100%の誉め言葉ってわけでもないけど(笑)
とはいえ裏方の戴宋や燕青の主観ですからね。
きっと史進とかだったらボロクソにけなすんだろうなぁ。
現在、梁山泊軍で一番命を張っているとも言える呉用。
そんな呉用の活躍を期待しながら、次巻を待ちたいと思います。