49冊目
「六とん4 一枚のとんかつ」
蘇部健一
講談社ノベルズ
知ってる人は知っている。
知らない人は、「何だそれ?」
知っている人の中でも、読んでる人はあんまりいない。
そんな、キング・オブ・バカミスである「六枚のとんかつ」の第4弾にして最終作、だそうです。
別にラストと銘打たなくてもいいんじゃないかな、と思わなくもないですが、そこはそれ。
表題作「一枚のとんかつ」や、「大江戸線5分30秒の壁」のように、ちょっと馬鹿馬鹿しいながらも普通にミステリーしてるものあり。
「聖職」や「恋愛小説はお好き?」みたいに、ちょっといい話と見せかけておいて、ガッカリさせられるものあり。
「ひとりジェンガ」みたいに、オチが見え見えの悲しい話(ふたつの意味で)あり。
今回もなかなかに、粒ぞろいで盛りだくさんな内容でした。
なんですが、ちょっと疑問なのが「琥珀の中のコートダジュール」。
…これは、いい話ってことでよいのだろうか?
なんか見落としてるのかな?
うーん、蘇部さんに限ってそんな筈は、というのは失礼だけど、「六とん」に入れるようなオチじゃないんだけどなぁ…。
今度また読み返してみようか。