21.「ハッピーエンドにさよならを」歌野晶午 | 町に出ず、書を読もう。

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物語がないと生きていけない。社会生活不適合者街道まっしぐら人間の自己満足読書日記です。

21冊目
「ハッピーエンドにさよならを」
歌野晶午
角川文庫




平凡な日常の向かう先が、『シアワセ』とは限らない。


徹底的にアンハッピーエンドに拘った珠玉の短編集。


ミステリの偉才が紡ぎ出す、小説的な企みに満ちた驚愕の結末!




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というわけで、タイトル通りアンハッピーエンドな短編集です。



何か暗そうな、読後感の悪そうな短編集だな、と思いきやさにあらず。



意外なオチにびっくりしたり、緻密な計算に唸ったり、じわじわした嫌な雰囲気にぞくぞくしたり、あまりに一刀両断なオチに笑えてしまったり、と色々な楽しみがありました。



意外な展開にびっくりした「おねえちゃん」、最後の一言に背筋が凍った「防疫」、突然の急転直下に思わず笑ってしまった「永遠の契り」の3作が特に印象に残りました。