78冊目
「十角館の殺人・新装改訂版」
綾辻行人
十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!
(単行本あらすじより)
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言わずと知れた名作中の名作。
最初に読んだのはもう10年以上も前です。
実は、新装改訂版が出ると聞いた時は、「そんなに内容が変わるわけではあるまいし」と、別に読みたいとは思っていなかったのです。
しかし、著者があとがきで「本書をもって『十角館の殺人』の決定版とするつもりでいる」とコメントしていると聞いて、それなら読まねば、とあっさり翻意したという経緯があったりします。
まあそんなことはともかく、要は再読みたいなものです、という話。
やはり色褪せないなぁ、というのが第一印象でした。
もう刊行されてから23年も経つわけですが、全く古さを感じない。
それは多分、物語の面白さに加え、文章が巧いからだというのもあるんだと思いますね。
そして、衝撃の一行。
たった一行で、天地がひっくり返り、見えていた世界が反転する。
いやぁ、やはり痺れます。
今でも大どんでん返しの物語が好きなのは、この本の影響ですね、きっと。
掛け値なしの面白さです。
これでミステリにハマった人って、かなり居るんだろうなぁ。