W杯日本代表が帰ってきましたね。
イメージよりかなり和やかな帰国会見でびっくりしました。
岡田監督のベスト4宣言。本田に至っては優勝すら公言してた中のベスト16敗戦だっただけに、国内での「おめでた」ムードに不快感を示す選手が一人二人くらいは居るかと思ったのですが、全くそんなことはなかったですね。
それはやはり、チームとしての一体感や、ある程度の達成感があったからなんだろうなと思います。
開幕前まであんなに酷評していた日本メディアが手のひらを返したように(実際見事な手のひら返しでしたが)好意的な論調だったことなど、南アフリカへ飛んだ選手・スタッフからすれば些末も些末、毛ほども影響を与えていなかっただろうことは明らかでした。
逆に国内で批判が渦巻いていたとしても、きっと彼らの態度は何一つ変わらなかったでしょう。
大会はまだ続いていますが、国内的にはもう完結。
今回の功労者は誰か、という話題にシフトされていってます。
二得点の本田。
サイドから再三攻め上がった松井・大久保。
チームキャプテンとして皆を牽引した長谷部。
誰よりも走った遠藤。
相手エースを封じ込める動きを見せた阿部・長友。
ファインセーブを連発した川島。
裏方に徹したベテランの俊輔・川口・楢崎。
そんな中で、派手さはなかったものの、守備陣をまとめあげた中澤と闘莉王の働きは素晴らしかったと思います。
特に闘莉王の日本人らしさが印象に残りました。
これまでの、帰化した後に日本代表となったラモス瑠偉や呂比須ワグナーといった選手は、日本人に無い「熱血」というメンタリティを全面に出した熱い選手でした。
それが、『世界』を知らない日本代表にとって貴重な教えであったことは否定しません。
しかし闘莉王は、センターバックというポジション的な役割や、続々と選手が海外移籍をしていて海外サッカー事情を知っている、という日本サッカー界の変化もあるでしょうが、ただ静かに自陣を守り、中澤と共に守備陣の屋台骨を支え続けました。
ラモスや呂比須が代表に居た頃は、その激しい言動を見て、「これこそが日本人が失ってしまった、そして日本人が最も必要としているものだ。今の日本代表の中で、一番チームのことを真剣に考えているのは彼に違いない」と思っていました。
それが間違いだったとは言いませんが、結局のところ、当時の日本代表にはそれだけの精神的温度差があったんだろうと、ある意味ワンマンチームだったんだろうと今更ながらに認識しました。
闘莉王が我を張らず組織に埋没している姿。それは、チームプレイを則とする日本代表の理想的な形であり、『わざわざ我を張らずともよい』形をチーム一丸となって作り上げた結果なのではないでしょうか。
次の大会は四年後。現在三十歳過ぎの、かつてゴールデンエイジと呼ばれた世代は、おそらくほとんど代表には残っていないでしょう。
世代交代を迎えたその時、今の日本代表が持っているメンタリティを継承し続けることが出来ているなら、きっと面白いチームになっていることでしょう。
そんな期待を持ちつつ、今回のW杯を最後まで楽しみたいと思います。
ただ、準決勝・三位決定戦・決勝は全部深夜三時半キックオフか。ライブは辛いかなぁ・・・