76.「トーマの心臓」森博嗣/萩尾望都(原作) | 町に出ず、書を読もう。

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76冊目
「トーマの心臓」
森博嗣/萩尾望都(原作)




トーマと呼ばれた美しい下級生から、ユーリに届いた一通の手紙。それは、彼からの遺書だった―。そこへトーマに生き写しの転校生・エーリクが現れ、オスカーは遺された想いに縛られた親友・ユーリを憂慮する。
揺れ動く心を捉える生と死、そして愛…。萩尾望都の不朽の名作に、森博嗣が今、新しい息吹を吹き込む。
(「e-hon」あらすじより)



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えー、とりあえずあらすじが言うところの『萩尾望都の不朽の名作』を読んだことがないんですよね。



だから、今ひとつピンとこなかった、というのは事実です。



マンガだと絵だけで表現できることも、小説では「地の文」で説明しないといけない。
けれども、説明が過剰になると世界観を損なうことにもなりかねない。



メディアミックスにおいて、「小説→マンガ」という分野に比べて「マンガ→小説」という分野があまり発展しないのはそのせいかもしれないですね。



ただ、この本に関しては、ところどころで敢えてぼかしたような書き方がされてて、それが幻想的で非現実的な雰囲気となっていて良かったです。




とはいえ、やっぱりこれは原作を知っている人の方が楽しめるんだとは思います。
話に聞いたところでは、原作とは結構違うストーリーになっているようです。それをどう受け止められるかにもよるとは思うのですが、萩尾さんの原作を読んだことのある人は読む価値があるのではないか、と思いますよ。