56.「魔界探偵冥王星O ホーマーのH」 | 町に出ず、書を読もう。

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物語がないと生きていけない。社会生活不適合者街道まっしぐら人間の自己満足読書日記です。

56冊目
「魔界探偵冥王星O ホーマーのH」
越前魔太郎




巷ではとある殺人事件が話題になっていた。



胸に穴を開けられ、心臓をえぐりとられた死体。
そしてその胸にくっきりと残る4本の指のような跡。



事件はそのセンセーショナルさで、下世話なタブロイド紙だけではなく一流紙までもが大々的にとりあげる大騒ぎとなった。



その後も事件は続き、被害者数は1ヶ月で何と6人。



警察は犯人の目星をつけることが出来ず、巷では「素手で心臓をえぐり取る大男」などという都市伝説が生まれたり、「人間の力では不可能だ。何らかの機械的装置を使ったに違いない」などとしたり顔で語るコメンテーターが出てきたりと情報は錯綜し事件は混迷の度合いを増していた。



しかし冥王星Oは知っている。そんなに複雑に考えることはないと。
人間に不可能なのであれば、人間の上位種たる【彼ら】の仕業だと単純に考えればいいと。



調査を開始した冥王星Oは7人目の被害者を見つける。
そこで出会った【右手を隠す男】に突然襲いかかられる冥王星O。



【右手を隠す男】が犯人なのか?
そう考えながらもなぜか【右手を隠す男】を憎むことが出来ないでいる自分に冥王星Oは気付き始めていた…




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シリーズ3作目、だったと思います。
出版社跨いで出てるからよく分からんようになってくるなぁ…。



1作目の時も2作目の時も言ったような気がしますが、典型的な3作目だという印象です。
どっちかと言うと誉め言葉として。


冥王星Oのライバル候補出現、っていう感じでしたね。ただ、この【右手を隠す男】の能力はリアルに想像すればする程気持ち悪いなぁ。実写化とかしたら悲鳴をあげてしまうかもしれない…。



そういえばひとつ気になったことがありまして。
この連続殺人の犯人は、都市伝説として語られた大男の姿をアメリカアニメのキャラクターになぞらえて『ホーマー』と名付けられるのですが、『ホーマー』って言えば『シンプソンズ』くらいしか思い付かなくてかなりの違和感。何か別のもとネタがあるんだろうか? それとも私が知らないだけで怪力の設定だったりするのかな?



あとひとつ気になる情報として、この夏は舞城王太郎さんの新刊発売及び雑誌掲載が連発してしかも原作が映画化するということで『真夏のMaijo祭』などと言われている訳ですが、その刊行スケジュールの中に、
8月6日 「魔界探偵冥王星O」(メフィスト2010VOL.2)
9月6日 「魔界探偵冥王星O デッドドールのダブルD」(講談社ノベルズ)
というのがあります。



メフィスト掲載分と9月刊行の本が同じ内容なのかどうかはよく分かりませんが、同じく8月6日発売予定の「魔界探偵冥王星O ジャンクションのJ」が『Maijyo祭』の刊行スケジュールに含まれていないことを考えると、ついに舞城版・越前魔太郎が見れそうな予感。



うーん、期待してしまいます。
楽しみだなー。