41冊目
「零崎人識の人間関係 零崎双識との関係」
西尾維新
【零崎一賊】
それは『殺し名』第三位に列せられる殺人鬼の一賊。
彼らは血縁ではなく、殺人鬼という属性で繋がっていて、それが『血ではなく流血で繋がる一賊』、という呼び名の所以でもある。
そんな一賊の中で唯一、零崎の両親から生まれたのが零崎人識。
一賊の秘蔵っ子である。
俗に『小さな戦争』等と称される争いは、遂にその最終局面を迎えようとしていた。
これまでは、この『戦争』を引き起こした少女の思惑通りに進んでいたこの争いだが、最終局面を控えて不安要素がひとつ。
それが、零崎一賊という不確定要素だった。
少女趣味・零崎曲識にはシグナルイエロー・紫木一姫、
愚神礼讚・零崎軋識には狂戦士・西条玉藻
という、倒せないまでも、相性が悪く手こずるであろう相手をぶつけることで動きを封じ、最も厄介な自殺志願・零崎双識にぶつけるのは、裏切同盟。
裏切同盟、それは非戦闘集団『呪い名』六名で組織された最狂最厄な集団。
序列一位の操想術師・時宮病院から時宮時雨
序列二位の武器職人・罪口商会から罪口摘菜
序列三位の病毒遣い・奇野師団から奇野既知
序列四位の飼育員・拭森動物園から拭森貫通
序列五位の死配人・死吹製作所から死吹屍滅
序列六位の予言者・咎凪党から咎凪尖離
この六人が双識を狙って動き出した・・・筈だったのだが、第一の刺客・奇野既知が襲撃したのは人識だった。
奇野を辛くも退けた人識は人違いを訂正することもなく、それどころか双識の変装をして次からの刺客に備えようとするのだが…。
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『戯言シリーズ』のスピンオフである『人間シリーズ』の四冊同時刊行で発表された完結編です。
作者曰く、同時刊行の四作品でこの作品を最終巻とする場合、『伊織→戯言→出夢→双識』の順で読むのがオススメだそうです。
バトルまたバトルで読んでて楽しい一冊でした。
といっても相手は非戦闘集団である呪い名たち。肉弾戦なんてほとんどなくてある意味局地戦みたいな風情だったのがまた面白かったです。
零崎特有の家族愛のお話、ではあるんですが、戯言シリーズや人間シリーズを思い返すに人識はもともと結構世話焼きさんだよな、とか思ってみたり。
乗りかかった船であれよあれよという間に船長になってしまってるようなことが多いんだよなぁ。
最後らへんに出夢編とリンクする箇所があるんですが、そこが何かじーんとしてしまいました。
ああ、ひきずってんだなぁ人識。
さ、あと一冊となりました。
といってももう読み終わってはいるのですが、更新するのが遅いのです。
いましばらく、お待ちを。
(待っている人が居るかどうか、ってのはこの際気にしない方向で…)