37.「零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係」西尾維新 | 町に出ず、書を読もう。

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物語がないと生きていけない。社会生活不適合者街道まっしぐら人間の自己満足読書日記です。

37冊目
「零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係」
西尾維新




【零崎一賊】
それは『殺し名』第三位に列せられる殺人鬼の一賊。



彼らは血縁ではなく、殺人鬼という属性で繋がっていて、それが『血ではなく流血で繋がる一賊』、という呼び名の所以でもある。



そんな一賊の中で唯一、零崎の両親から生まれたのが零崎人識。
一賊の秘蔵っ子である。




人類最強の請負人・哀川潤に襲撃され、人殺しをしないことを条件に見逃されていた零崎人識と無桐伊織(零崎舞織)は、その後一時ヒューストンに滞在していたものの再び日本へと戻ってきていた。



哀川が人類最終・想影真心との戦闘で重傷を負い入院しているという報せを聞いた二人は、『殺人を禁じる』という殺人鬼にとっては理不尽以外のなにものでもない誓約を反故にすべく、件の病院を襲撃する。



しかし一分足らずで撃退されてしまい、気が付けば哀川の仕事を手伝わされる羽目に。



目的地は、『殺し名』序列二位の暗殺者集団・闇口衆の拠点、北海道の大厄島。



その島で相対するのは、哀川にこの仕事依頼をした張本人・石凪萌太の父親であり、生涯無敗と豪語する男・六何我樹丸。



萌太の異母妹である闇口崩子を伴った(というか拉致した)哀川たちは、大厄島へと乗り込むのだが…



・・・・・・・・・・・・



『戯言シリーズ』のスピンオフである『人間シリーズ』の四冊同時刊行で発表された完結編です。



作者曰く、同時刊行の四作品でこの作品を最終巻とする場合、『出夢→双識→戯言→伊織』の順で読むのがオススメだそうです。



人識と伊織の会話がとにかく楽しい。そこに哀川さんが加わってさらに面白いことになりました。



そんな楽しい前半とはうってかわって、後半はちょっとシリアスめ。



傷の癒えていない哀川、戦闘の経験値が圧倒的に足りない伊織、闇口としてのスキルを根こそぎ失っている崩子、それぞれが不利な戦いを強いられます。



人識もそれは同じ。しかもその理由は誰よりも深刻なものでした。



この物語は、戯言シリーズ及び人間シリーズの中で時系列では最後にあたります。



物語自体はそれなりにハッピーエンドとして終わりましたが、今後の人識がどうなるのか。もう語られることはないのかもしれませんがとても気になりした。