32.「リッターあたりの致死率は」汀こるもの | 町に出ず、書を読もう。

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物語がないと生きていけない。社会生活不適合者街道まっしぐら人間の自己満足読書日記です。

32冊目
「リッターあたりの致死率は THANATOS」
汀こるもの



周囲で人死にが多発する『死神体質』で魚マニアの立花美樹。



今日は、双子の弟・真樹、お守り役の警察官・高槻、立花邸の魚水槽管理アルバイターの彼方を引き連れて魚の展示会へと繰り出した。



そうすると案の定、来場者のひとりが毒殺され、そのうえ高槻までもが倒れてしまう。



真樹は高槻に付いて病院へ。美樹と彼方は帰途へ就いたのだが、駅のトイレに居たところを襲われ、美樹は誘拐されてしまう。



誘拐したのが『死神』美樹だと知らないこと、美大生の彼方が完璧な似顔絵を書いたことで犯人の身元が直ぐに判明したこと、等から事態を軽く見ていた警察だったが、徐々に犯人達の狡猾さに気付き始める。



刻々と過ぎていく時間。
オトナな対応を続ける警察に業を煮やした真樹は、ついに強硬手段に出る…




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タナトスシリーズ四作目。



いやあすばらしい。
これは面白かった。



正直どんなふうなラストになるのかは、これまでのシリーズ変遷から大体予想はできたけど、それでも楽しく読むことが出来ました。



一作目の「パラダイスクローズド」以降、高槻や彼方の黒い部分は結構あったのに、双子の分は無いなぁと思っていたら、今回はがっちりでした。



終盤でクスクス笑う美樹が恐ろしい…。
真樹もかなりはっちゃけてたし。



問題は二人(主に真樹)の行動の尻拭いをする立場にある湊参事官。
可哀想に最後は放心状態だったけれど、次回作ではお元気な姿をみせてほしいものです。