2冊目
「『ギロチン城』殺人事件」
北山猛邦
ギロチンの前で助けを求める少女の写真を見つけた自称探偵のナコと大学生の頼科は、彼女がいると思われる『ギロチン城』に赴いた。
『ギロチン城』の名の由来は、城を建てた古物商がギロチンをはじめとする処刑具の蒐集をしていたからだという噂で、しかもその古物商は城内の密室で首を切断されて死亡していたのだという。
首尾よく城内に入ることが出来た二人。
しかしそれが何かの契機だったとでもいうように城門の開閉をする機械が壊され外に出られなくなってしまう。
そして次々と起こる密室殺人。
ナコたちは少女を助けだすことができるのか・・・
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またまたきました『城シリーズ』です。
前作『アリス・ミラー城』に引き続きオーソドックスな舞台設定ですね。
とはいえ、城内の扉を開けるには指紋・光彩など色んな認証データが必要、という設定を入れてくるあたりが巧いです。
その他にも、ロシアで伝説となっている『ギロチン人形』という自動的に動いて首を狩る人形の話や、まるで記号のように無個性な名を付けられた少女たち(その中の一人に至っては名前自体が無い)など素敵ガジェット満載です。
街中で事件が起こって、警察が駆けつけて・・・というようなミステリーが嫌いなわけではないんですが、やっぱりクローズドサークルで警察は来ないわ電話もつながらないわで場がどんどん煮詰まっていくようなミステリーというのは良いですねぇ。
ラストまでぐいぐい引っ張られるように読めましたよ。