55冊目
「蟲猫 人工憑霊蟲猫」
化野燐
義父の遺言により故郷へ帰り、美袋学園付属玄山記念図書館で、幕末明治期の本草学者である美袋玄山の著書や蒐集物を整理する仕事についた美袋小夜子。
その名の通り、玄山は小夜子の先祖であり、母を亡くし義父と不仲となり故郷を棄てた小夜子が帰ってきた理由は、この図書館に収められている、玄山の物を含む貴重な資料に魅了されたためであった。
娯楽の少ない学園都市内で、しかも職場は薄暗く埃っぽい図書館別館。決して若い女性が好む職場ではないが、小夜子にとっては天職とも言える仕事。
反りの合わない上司や同僚とはどうしても仲良くなれず、孤立しかけているような自覚もあるものの、勿論優しい同僚や親友なども居り、小夜子は今の生活に満足していた。
しかし、偶々見つけた図書館の地下室に足を踏み入れた時から、小夜子の周囲は全く違う景色を見せ始める…。
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前から背表紙だけ見て気になっている本でしたが、文庫化されていたので買ってみました。
何となくファンタジックな話なのかと思っていたのですが、結構がっちりのしたバトルものでびっくり。
裏表紙のあらすじ読めよ、って話ですが…。
とはいえ、これは嬉しい誤算。
妖怪で、異能バトルで、っていうのは結構好きな分野なので、次の作品も読んでみようと思います。