28.「わらしべ偉人伝」ゲッツ板谷 | 町に出ず、書を読もう。

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物語がないと生きていけない。社会生活不適合者街道まっしぐら人間の自己満足読書日記です。

28冊目
「わらしべ偉人伝~めざせマイケル・ジョーダン!」
ゲッツ板谷



西原さんからの繋がり、というわけではありませんが、続きましてはゲッツさん。



実はこの本再読なんですが、文庫になったので買ってしまいました。



というのも、学生時代の友人で熱烈なゲッツ板谷ファンがおりまして、その影響で私も今では全作(多分…)網羅してるわけですが、今思えば最初に薦められ、貸してくれたのがこの本でした。



友達はあんまりいないのですが、本とも(本読みで薦めたり薦められたりする友達)には意外と恵まれてるのです。ありがたいことでございます。




さて、内容はというと。



フリーライター・ゲッツ板谷さんが偉人(有名人)にインタビューをし、その偉人が尊敬する別の偉人を紹介してもらいながら、わらしべ長者のようにすごい人にまで到達できたらいいなぁ。という企画。



ちなみにサブタイトルの「めざせマイケル・ジョーダン」というのは、最初の偉人にマイケル・ジョーダンを指名しようとしたら、担当に資金面から拒否され、「じゃあインタビューした偉人がジョーダンを指名してくれたら絶対会わせてくださいよっ!」と言い返したため。(ちなみにその後、鈴木あみも却下されている)



そして、MJ(マイケル・ジョーダン)に会うためのわらしべ偉人伝が幕を開ける!


その一人目は、漫画家針すなお!!


ここからMJに到達できるのか!?


いきなり明らかに無理っぽいのがまた素敵ですが…。


しかしというか案の定というか、偉人は国内の人ばかりが数珠つなぎになるわ、途中で「50人で打ち切り」という新ルールが加わるわでMJとの距離は遠くなるばかり。



そして50人が終了…。



失意のゲッツさんに、担当の優しい言葉が炸裂する。


「ゲッツさんも長い間頑張ってくれたし、MJに会わせてあげますよ」
「マブっすかぁぁぁぁ!」



いやはやおもしろい。



ゲッツさんの場合、アホキャラ・デブキャラを全面に出すってのと、強烈な身内や友人の実話ネタが目立ちますが、その「売り」を増幅させてるのは明らかに自身の文才だったりするわけで。



企画が企画だけにそういった「売り」が出しにくい分、文章での面白さが際立ちます。



偉人の方々も、超メジャー級から全くのマイナー級まですごい人ばかりでとてもよかったです。



個人的には毒蝮三太夫・水木しげるあたりが特によかったです。