17.「esora vol.7」 | 町に出ず、書を読もう。

町に出ず、書を読もう。

物語がないと生きていけない。社会生活不適合者街道まっしぐら人間の自己満足読書日記です。

17冊目
「esora vol.7」


小説現代特別編集。季刊の文芸誌です。


前回(vol.6)の辻村深月と本谷有希子がかなりのヒットだったので期待しすぎたのか、今回は小粒感。
強烈な印象はあまり残らなかった。


なのでざっくりと何作か感想書きます。



「ギブ」伊坂幸太郎

何と、SFっぽい作品。
所々で流石は伊坂幸太郎、と思わせてくれる箇所はあったものの、何か不完全燃焼。
オチもあんまり好みじゃなかったかな。

しかしまあ、しれっとした悪人を書かしたら、この人の右に出るものはいないねぇ。



「『妹』という祝福」辻村深月


姉妹の確執がテーマなので、別段実体験とかがあるわけではないんだけど、

思春期だなぁ、としみじみ。


とてもいい話やし、オチもきれいやし、それなりにどろどろしたシーンもあったけど、『辻村深月』というのを意識してしまうと、もっとひねりと深さが欲しかったかな、と思う。


やっぱ辻村さんは長編の方がいいね。



「失恋登山隊」小林紀晴


昔ちょっとだけ登山をかじっていたので、こう言うの読むと若干の郷愁と興奮がある。


飯田線とか、木曽駒とか、コッヘルとか、山行とかいうセリフがさらっと書いてあるので、「おぉ…」とか言いながら読んでました。


補足:山行(さんこう)【山へ行くこと、というとそのまんまだけど、旅に行くのは旅行、山に行くのが山行。「今回の山行は天気よさそうだね」というように使う。】



いーなー、山行。ひさびさに行ってみたいなー。



でも今の体力からしたら、半年くらいはトレーニングしないと森林限界まですら行けないだろうな……。