14.「堀割で笑う女」輪渡颯介 | 町に出ず、書を読もう。

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物語がないと生きていけない。社会生活不適合者街道まっしぐら人間の自己満足読書日記です。

14冊目
「堀割で笑う女 浪人左門あやかし指南」
輪渡颯介



時は江戸時代。舞台はとある小さな藩内。



堀割で女の幽霊を見た者は間もなく死ぬ。


その怪談が語られ始めてから夜の堀割周辺はぱったりと人通りがなくなった。



しかし、それは家老を暗殺するために集った下級藩士達が流した嘘であり、虚勢を張りたがる家老が堀割を迂回しないことを計算に入れた「襲撃場所」作りだった。



実行役である二人の男は、ひとけのない堀割で首尾よく襲撃に成功。



「死ぬ前に少しは苦しんでもらわないと面白くない」と、虫の息の家老と提灯持ちの家士を放置して立ち去ったのだが、翌朝まで息があった家士はこう言い残した。



「襲撃者は男二人に女一人。男達が立ち去った後、女が家老にとどめを刺した」と。




十年後、怪談嫌いな若い藩士・苅谷甚十郎と、江戸住まいで苅谷の剣術の師範である怪談大好き素浪人・平松左近は、再び藩内で起こった殺人とそれに付随する怪談を調べはじめることになる…。




ちょいとあらすじが長くなりすぎたので簡単に感想。


やっぱりホラーとミステリーってのは相性がいいねぇ。そのいい相性を時代ものという舞台設定が更に引き立ててる。


時代小説にありがちな読みづらさもあんまりないし、ミステリーとしてもきれいなオチだし、怪談部分も結構怖いし、時代もの・ミステリー・ホラーとどの分野の入門書としてもいいんじゃないでしょうか。