書評#1 笑う怪獣 西澤保彦 | 町に出ず、書を読もう。

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『笑う怪獣 ミステリ劇場』西澤保彦/新潮文庫


西澤保彦ミステリといえば、SF的な能力や道具をルールに加えた本格ミステリが多いのですが、この本はちょっと趣を異にします。
ミステリよりSFをメインに据えていて、謎は提示されるものの探偵役が解く前に露見するのもいくつかあり、ミステリ風のSFコメディといった雰囲気。


モテない三人の男がナンパや恋愛をするたびに訪れる怪獣・宇宙人・改造人間・幽霊etc。理不尽でなんの説明も解決策も与えられない三人はただただ翻弄されるのみ。しかし彼らは友情と下心で突き進む!


西澤作品にはマニアックな性的嗜好を持つ男が多いのですが、そういえばこの本でも、『ソフトタッチ・オペレーション』(講談社ノベルズ)でもパンストフェチがいたなぁ。ひょっとして作者も…?