月に一度は山に行く! 9月はついに、夢の大キレットチャレンジなのです。
そう言えば8月の山のブログを書いていなかったことを、今思い出しましたが(汗)
8月は、中央アルプスの宝剣岳にTeamLifejackets+初心者女子二人でお手軽にロープウェイ利用日帰り登山に行ったのですが、稜線に出て宝剣山荘まで行ったところで強風雨のため敗退。。。
ブログに書くほどのことが何もなかったため、自分の中ではなかったことに整理されていたようで。
気を取り直して、9月はついに長年の夢、大キレットを攻めに行ったのです!
大キレットとは。
大キレット(だいきれっと)は、長野県の南岳と北穂高岳の間にあるV字状に切れ込んだ岩稜帯である。この縦走ルートは、痩せた岩稜が連続し、長谷川ピークや飛騨泣きといった難所が点在する。
近年、関係者の尽力により、足場等の設置が施され、以前に比べて危険度は減少している。それでも毎年数名の死亡者と多数の負傷者が出ており、国内の一般登山ルートとしては、今なお最高難度のルートの一つであることは間違いない。
また、高校の山岳系の部活動などで行ってはいけないルートとして大キレットを指定している県もある。
以上、ウィキペディアより。
ちなみに、Googleで「大キレット」と検索しようと打ち込むと、「大キレット」の次に、「大キレット 事故」、「大キレット 滑落」と表示されてくる。
ま、一言でいえば、できれば一人では行きたくないような怖いところなのです。
ところが。
毎年恒例の楽しい楽しいTeamLifejacketsやTeamBornToBeWildの夏山・秋山の記事を書くこの時期の山に、なんと今年は一人で行くことに。
今回の大キレット計画、そもそもの始まりはTeamBornToBeWildの定例山行になる予定であったのが、なんとこのもと氏が家庭の事情で参加できないことに。
BornToBeWildがダメなら、俺にはLifejacketsがあるさ!と白羽の矢を撃ち込んだyossie隊長も、直前になって家庭の事情という名の立ちはだかる壁のオーバーハングを越えられず、まさかの撤退。
やむなく、ガチ山では初めてのソロ山行となったのでした。
ところが、やってみたら意外に楽しかったのです、ソロ山行。
自分のペースで歩けるし、歩きながら喋らないから呼吸が楽だし(笑)。
家庭の事情、仕事の都合で、年々休みが合いにくくなっている僕らの年代。
そろそろ、一人遊びができるようになった方が良いのかもわからない?
今回の行程は、初日に上高地からコースタイム10時間、標高差1,500mを一気に登り、天狗池・南岳経由で、南岳小屋泊。
2日目に、いよいよ大キレットを越えて、北穂高岳・涸沢岳経由で穂高岳山荘泊。
3日目に、奥穂高岳・前穂高岳へ登頂し、岳沢経由で上高地へ下山するというもの。
5つも3,000m級のピークを踏むことができるという。なんて美味しい行程なのでしょう!
間に大キレットがなかったら、おそらくとんでもない人気コースになってしまうことでしょう(笑)
キモは、大キレットを越える2日目。
ただでさえ厳しい大キレット、岩が濡れた滑りやすい状態であれば、即撤退決定なのです。
天気予報を入念にチェックし、2日目が晴れるように、当初の予定より1日後ろへ日程をずらして決行することに。
天候不順の今年、晴天が長く続く日と自分の休みがばっちり会う日なぞそうそうないので、仕方なく初日はアプローチと割り切って雨覚悟で登り、2日目に晴天をぶつける作戦なのです。
9月7日(土)
22:30名古屋駅名鉄バスセンター発上高地直行バス(季節・曜日限定)の往路パターン運行日であったので、これ幸いと予約して、上高地へ。
9月8日(日)
朝5時半上高地着。
4列シートのバスでほとんど寝れなかったため寝不足、しかも小降りの雨の中、歩きだす。
岳沢も途中までしか見えていない。
途中、サルの大群に遭遇。
めっちゃ至近距離なのに、まったく逃げない。
むしろ襲われたらやばいのはこちらの方なのだろうな。食い物も持ってるし。
長丁場なので少しでも早く山小屋へ到着できるように、急ぎ足で進む。
コースタイム3時間の横尾まで、2時間ほどで到着。
横尾にある看板には、今年発生した事故の日付と内容が貼り付けられていました。
・・・やはり、大キレットのところは貼り付いたテープが多いような。
少しだけ休憩して、槍沢方面へ出発。
槍沢ロッヂ着。
ここでどんべえのお昼ご飯を食べ、少しだけあったまって再出発。
槍沢ロッヂから1時間半ほど上がった大曲で、槍ヶ岳方面に行く人たちと別れる。
ここまでは、雨とはいえそこそこ人がいたのだけれど、ここから先は、南岳小屋まで一人もすれ違わず、追い抜かれもせず。
広大な山の中で、4時間ほど完全に一人ぼっち。
長く登山をしているけれど、こんな経験は初めてだなぁ・・・
今ここで何かあったら、絶対に発見される前に死んじゃうかもなぁ・・・
この辺いかにも熊さんがいそうだなぁ・・・
(途中、マジで心配になってきたので、何回か笛を吹きました。結構本気で心配で。 笑 )
・・・などと思っていたら、森林限界を越えて岩稜帯に入ったところで、オコジョと遭遇!
オコジョ、すばしこくてカメラを取り出す前にいなくなっちゃったから写真はありませんが、初めて見ました。
これは嬉しかった!
天狗池。
晴れていたら、槍ヶ岳が写るという。
今日は写るどころか、槍ヶ岳そのものが影も形も見えやしねえ。。
つがいの雷鳥を発見。もうお腹から下は冬毛でした。
等高線を直角に登っていくような急登の岩稜帯を越えてなだらかな広い稜線に出ると、すぐに南岳(3,032m)頂上。
すいませんがシャッターを押してもらえませんか?
と言う相手もいないため、さみしく一人撮り。
実に寒そうである。
南岳頂上からほどなく、頑張ったおかげでコースタイムより1時間ほど早く、15時頃に今夜のお宿の南岳小屋に到着。
速攻で乾燥室に濡れたものをすべてぶち込み、乾いた衣服に着替えてようやく人心地つく。
今回はこういう雨想定でいたので、いつもより多めに着替えを持ってきたのです。
テント泊のときは荷物を減らすのに極限まで着替えも減らして我慢しちゃうのだけれど、小屋泊なので余裕もあるし。
大人って素敵ですね。世の中、何はなくともやはり金だと思うんです(笑)
夕方、外が明るくなってきたので出てみると、雨が上がってました。
そして、こんな綺麗な夕焼け。
2日目、9月9日(月)
勝った。
見事なまでの秋晴れ。
まさにキレット日和!
今日は行程はハードだけどコース自体は短いため、陽が出て岩が乾くのを待ってゆっくりと7時頃に出発。
登り始めてすぐ、振り返るとお世話になった小屋の向こうに槍ヶ岳が!
シシバナ展望台(別に何か施設があるわけではない)という、小屋からすぐの頂に登ると、足元に大キレットが!
左手奥の北穂高岳まで、この明るいところと暗いところの境目の稜線を行くのです。
このシシバナ展望台から、キレット方面に降りていくルートらしきものがあったので下りていくと、すぐに完全にクライミングな世界の絶壁になった。
周囲には、○や→などのマーク(ルートを示すために岩に白いペンキで書かれている)もまったくない。
両手両足、すべてで岩をホールドしていないと、立っていられない。
どちらか足を踏み外そうものなら、数百メートル落ちること確実。
・・・大キレットと言えど、これじゃさすがにおばさんとか絶対無理じゃねえか?
・・・これって、ルート間違ってないか?
・・・ヤバい!
焦って足を踏み外したり岩をつかみ損ねたりしないように慎重に戻る。
案の定、シシバナ展望台の頂に登る手前に、右側に降りていく正規ルートがあった。
あのままもう1アクション下りていたら。
戻れなくなっていたかもしれないし、無理に戻ろうとして落ちていたかもしれない。
大キレットは怖い怖いと聞きながら、実際はどんなものか初めてであるが故に、その難しさレベルがわからなかったことと、大キレットが早く見たくて前だけ見てとりあえず目の前の高みに登って行ったのが原因か。危なかった。。。
気を取り直して正規ルートを行く。
写真じゃ伝わらないか、この高度感。
長谷川ピークで、同じ小屋から出発した先発組と合流。
ついでにシャッターを押してもらう。
誰かいないと自分の写真が残せないのが、ソロの辛いところか。
この写真は何で撮ったんだろう?と思ったら、下の方にありんこのように人が写っているので、どうやら高度感があるから撮った模様。
わかります?
足元の岩に○マークがあるってことは、このコースを登ってきたということ。
崖っぷち具合をお分かりいただけるでしょうか?
この岩も、左下から真ん中上の方角へ、○マークが。
A沢コルを過ぎて、前に立ちはだかる北穂高の急登を登りつめると、北穂高岳頂上直下の北穂高小屋に到着。大キレット踏破です。
歩いてきた大キレットが一望できる北穂高小屋のデッキ。
あーーーーここでビール飲みたい!
と思いつつ、
まだ先があるのでペプシで我慢し、カレーライスをいただく。
北穂高小屋は、本当に北穂高岳頂上直下(たった6m下らしい)にあるため、飯後に出発すると30秒ほどでもう頂上なのです(笑)
今回2つ目の3,000mサミット、北穂高岳(3,106m)登頂。
続いて、そのまま涸沢岳へ縦走。
何気に、北穂高岳~涸沢岳間にも、大キレットに迫るくらいの緊張感のある岩場があった。
大キレットを終えて、一旦気が抜けたせいかもしれないけれど。
今回3つ目の3,000mサミット、涸沢岳(3,103m)。
涸沢から見上げると、奥穂と北穂に挟まれて大したことないでっぱりに見えるけど、登ってみるとなかなかどうして登りがいのあるピークでした。
涸沢岳からは、もう眼下に本日のお宿、穂高岳山荘が見える。
涸沢岳の穂高岳山荘側の斜面は初心者でも登りやすいため、穂高岳山荘泊りの人たちが気楽に登ってくる。
そのため、涸沢岳のピークに着くと、いきなり山ガール風の女の子もいたりして、北穂側とはだいぶ雰囲気が変わる。
山荘に入るとすぐ、あの有名な太陽のロビーが。
まったりと本を読んだり、蚕棚形式の寝床でくつろいだり。
昨夜といいこの日といい、夕飯が終わるとさっさと寝てしまい、星空を見た記憶がない。
いつもなら一緒に登った仲間と酒を飲んだりするのに、ウイスキーを少し飲んだくらいにしてすぐに寝てしまう。
ここらへんはソロの悲しさか?
9月10日(火)
今日も快晴。
穂高岳山荘の朝ごはんは、名物の朴葉みそ焼き。
これが目当てで弁当じゃなく朝食付きにしたのです。
が。一人一つではなく、テーブルに一つ。
グループでない限り、知らない人とつつきあうことになるわけで。
そりゃあよくよく考えてみりゃ、旅館と違って一人に一つなんて豪華なことはないわなあ、と。
しかし残念ながら、穂高岳山荘、正直期待外れでした。
先進的な風力発電、太陽光発電への取り組みとか、何かと話題になることの多い国内有数の有名山小屋だけに期待しすぎていたのでしょうか?
山荘から出るとすぐに、奥穂高岳への急登。
団体で来たコリアンたちが、数珠つなぎになって登っている。
韓国には高い山がないせいか、人気の槍穂高にツアーで登りに来ているそうな。
山荘横の急斜面を登ると、後ろに槍が見えました。
奥穂高岳(3,190m)登頂。
奥穂登頂は、たぶん19~20歳くらいの時以来、十うん年ぶり、2回目。
頂上は結構な人がいて、頂上ケルンには、写真撮るための順番待ちが!?
奥穂登頂の証拠写真だけ撮ろうとケルンにカメラを向けたら、ケルンに座ってたおばちゃんがカメラ目線に。
・・・少しイラっとし、滞在15秒で下山開始。
奥穂のピークから前穂方面に進むと、数十mでガラッと人がいなくなった。
気持ちよく槍が見えている場所があったので、休憩中の人にお願いして写真を撮っていただきました。
奥穂から前穂へ吊尾根を進み、紀美子平に。
ここにザックをデポして、空身で前穂高岳にアタック。
「俺の身体、こんなに軽かったっけ!?」
と思うくらい、空身ではサクサク登れる。
前穂高岳(3,090m)登頂。
今回の山旅最後のピーク。
しかし、2泊3日の山旅で5つもの3,000mサミットを踏破できるとは、恐ろしく贅沢ですね。
さすがに北アルプス。
頂上からはるか眼下に、上高地が見えました。
今日はあそこまで、1,500mを一気に下って帰るのです。
そこだけ聞くと、いかにも膝がぶっ壊れそうだな(笑)
ガシガシ1時間半ほど下って、岳沢小屋に。
岳沢から2時間ほどで、上高地に無事下山。
いつもながら、いきなり観光地にやってきてしまって戸惑う。
ヒールはいたお姉さんとか、すごい久しぶり感があるんです(笑)
上高地から平湯温泉(温泉&ビールの至福タイム)経由、高山経由でバスを乗り継ぎ名古屋へ。
いや、楽しかった。
大キレット踏破、夢がかないました!
問題は、次にどこに行くか、か。
燃え尽き症候群気味?になるくらいアドレナリン出っ放し、刺激的で充実したサイコーの山行でした、とさ。