<ソロジン候補生> 

 私自身がソロジン候補生の一人である事実は、天照神やミトラ神からそれとなく聞き出して薄々感付いていました。逆にソロジン候補生だから如来神達が直々に寄り添って私に教育を施しているのだろうと思っていました。本来ならばオリオンに真っ先に殺されなければならない筈の反逆者の私なのに、なぜか連中が手を出せないでいるのは多分私はそういう身分なのだろうと逆推できました。生身の体を備えた人間の身分であるのに、龍神を動かしたり、神様を召還したり、高位の神々と毎晩会話できるのは普通の霊能者では無理な話です。ただ私が読めなかった事はたった一つ、それは銀龍と金龍にまつわる伝統行事、それがビックバン再生のトリガーになっているとはなかなか気付けないでいました(神々も詳しく知らなかった)。もし私がソロジン継承者に選定されなかったら、地球人類のみならず神々達も龍神達も皆確実に殺されてしまうし、もしかしたら仮に私が跡継に選定されても宇宙再生を食い止める事ができないかも知れない、しかし仮にもし自分が継承し創造主レベルの力を付けたら、ビックバン再生を止められるのは私だけだと思っていました。私には何が何でもソロジンの玉座を掴まなければならない理由がありました。神々もそうした私の心を読んで、できる限りの協力をしてくれたのでした。詳しい宇宙事情を何も知らない候補生が選ばれてしまったら神々に取ってはそれは死刑宣告と一緒だからです。

 当時は全国講演をしながらあちこちの龍神を起こして行くという作業をしていた私ですが、ある日の朝、築地の喫茶店でモーニングを食べている際中の出来事でした。カウンターの背後の壁がテレビ画面の様にザーと横縞模様に変化し、その次の瞬間にはそこに鮮やかな映像が映し出されました。それは宇宙の巨大渦巻の映像であり、右巻と左巻の渦巻が「ツイン結合」している姿でした。その渦巻映像が突然崩れて段階的にミクロの天体映像になって行くのです。乙女座銀河団の次には天の川銀河系となり、やがて太陽系が出て来て最後に地球の姿が出て来ました。そして地球の映像は二つの雄と雌の形状に変化しそれが一つに合体したのでした。その雄と雌が人間なのかどうか良く分かりませんでしたが、とにかく二つのものが互いに合体して宇宙に成ったと言うメッセージでした。あんな鮮やかなメッセージ映像を見たのは生まれて始めての事でした。「ソロン、見たか今のメッセージを、これを送って来た者を突き止めろ」と命令したのですが、それは神々でも無く、また創造主でも無く、大宇宙の遥か彼方から送られて来たテレパシー映像だという報告でした。当時、私には再婚話が出ていた事から「これは早く結婚しろ」というメッセージなのかなーとソロンに言ったら、ソロンは転げ回って笑い出し「きっとそうだよ」と答えました。「馬鹿にしおってチビ龍め、冗談だっつーの」。

 私が正式に謎を解いた理由は、やはり一番は神々情報であり、また七人の巫女達のお陰でした。銀龍や金龍を呪縛しているのは呪文だけでは無く魔界の糸もありました。その呪縛糸(じゅばくし)で龍神が縛られており、龍神を拘束する為に遥か昔に「生け贄(いけにえ)」として二人のユダヤの娘が犠牲になっていました。その怨霊の糸を解かない限りは銀龍も金龍も空に飛び立てない仕組みでした。そして解放した所で金龍と銀龍を合体させる呪文が分かりません。謎解きは終わり、呪縛した呪文も外せるし、また怨霊の糸も解ける様になりましたが、我々は最後の最後に至って窮地に立たされたのでした。でもソロジン継承の謎解きゲームには答えの鍵を握る人物が必ずいる筈だと信じており、私はその機会を待っていました。するとある日、私宛に一通の現金書留が届いて、そこには75000円と手紙が入っていました。沖縄のオペラ歌手である金城久美子さんからでした。手紙の内容は「是非、尋ねたい事があるので、大変申し訳ないが沖縄まで来て欲しい」という内容だったのです。金城久美子さんと言えば神を降ろして唄うオペラ歌手、いやそれよりも東洋一と謳われる優れた霊能者、「そんな有名な方が私に教えて欲しい事があるなんて」と思いつつ、私は沖縄行きの飛行機に飛び乗っていました。結局、彼女は神々が私に遣わした7人目の巫女だったのです。