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生きるために必要なもの全て、そこで作りだして、大好きな人たちと笑顔で暮らせる村を作ろう。

そう思って土地を探し始めたときに、ある人を紹介された。

 

陰陽師。

陰陽師ってなんだか映画みたいだけど、本当にいるんだって思ったよ。

その人、俺の顔を見ると突然言ったんだ。

 


『あなたが来るのをずっと待ってました。あなたが私の最後の仕事です。私は今日でこの仕事を辞めます。お待ちしてました』って。

 

その陰陽師も、また高田馬場のじいちゃんと同じようなことを言った。

あなたは100万人に1人の人。って。

26歳のことも母ちゃんのことも全部当てて。

それで、何か見えてるんです。空中に。

俺はその頃ウェルシュ・コーギー・ペンブロークっていう、尻尾切っちゃって耳がでっかい犬を飼ってたんだ。

その頃はまだ小泉今日子と俺ぐらいしか飼ってなくて珍しかった。

その陰陽師が「3年ぐらい前に、犬かなぁ。何だろうなこれは。耳が大きい動物買いませんでした?」って。

「あ、買いました」

見えてるんだ。何かが。

この人は高田の馬場のじぃちゃんと同じ種類の人だから、この人の言うことは信じようと思った。

 

その人が言うには、

「人間の細胞には、ナチュラルキラー細胞っていうのがあって、悪いガン細胞があったとしても、そのナチュラルキラー細胞が周りのガン細胞を良い細胞に変えちゃう。人間界のあなたがそれなの」

って言ったんだ。



そして、どうやら俺は、人を幸せに導くための使命を持って生まれてきたんだって言われた。

「本来だったら私のように修行して、こういう職業をやるはずだったんだけど、違う運命を選んで生まれてきた。だからあなたが選んだその運命の元でやっていかなきゃだめだ。非常に珍しいけど、それがこの時代に合ってるんだろうね。あなたにとってはそれがこの時代の修行なんだろうね。だからあなたは、その自分の業界で、自分がやりたいようにやっていきなさい』って。

 

で、やっぱり「42歳のときにあんたはすべてがわかる。55歳のときにもう安泰だから。65歳になったら大成功するよ」と同じようなことを言った。

「ちなみに95歳までは生きますよ」って。

それ高田馬場のじぃちゃんにも言われた。

95歳まで生きるって。

それで確信持ったよね。

俺は首つり100回やっても死ねないんだって。

95歳まで生きるしかない。もう生きようって。


それでやっぱりまた、『人の何十倍も苦労するけど、あなたがやりたいことをやればみんなが幸せになるんだよ』って言う。

俺は『ひとりぼっちでもうだめだ』って思ったけど、『もしかしたらまだやれる』って…

二人の言葉を信じて、またやっていこうと思った。


よし!衣食住、全部つくれる村づくり始めよう!

今は誰もいないけど、今度は本当の仲間をつくろうって。

 

そのとき俺は、30歳だった。

 

つづく。

 


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