(35)「『物質科学文化』の将来の姿について」
アナウンサー:先生、今朝は「物資科学文化」、この将来の姿についてお伺いしてまいりたいんですが。
総裁:人間は物質的肉体とそれと生命の作用による精神と両方が相まって均衡がとれた時に本当の健康状態になる。
だから、文化にしても「物質文化」と「精神文化」が両方が均衡とれた時に、発達したこの現代の物質科学文化が人間の為になるが、あまりにも物質文化が進んで精神文化が伴わない時には、子どもが立派な自動車に乗って今度できた名神道路のような立派ところで運転すれば、精神が幼稚なためにちょっと誤ってハンドルを切り損なうと大変なことになる。
そんななら、昔のように足で歩いておる時にはぶつかっても怪我(けが)しない。けれど原子爆弾ができる、宇宙船ができる、人工衛星ができるところまでいって、そして人間の理性・精神の方がそれを統御(とうぎょ)するだけの規(のり)ができなかったなら、自分のつくった文化のために破壊してしまうのである。
かえって、文化が進まない方がはるかに安全だ。ちょうど、五体は大きいし、立派な自動車に乗りながら頭が狂って使い、きちんと使いこなせない者が乗ると、そうすると大変なことになる。
だから、物質科学文化が進むのに対して、これからは精神文化が大いに発達しなければならない。
それは、地球の南北に陰陽相反した磁気力があるが、縦に割ってそれを区分していくと欧米の裏半球は女性的な物質科学、東洋の方は男性的精神文化が発展するが、これからはアジア人種の持ち前の精神文化が大いに目覚めて発達して、そうして物質科学との均衡をはかるところに、そこに人類の努力すべき重点がある。
これを気づかないで欧米の物質文化ばかり模倣して、自己本来の特長を忘れていたら大変なことになるのである。
人間でも、女性だけになってしまえば100年しない間に人類は居なくなる。陰陽が相まってそうして初めて永遠の発展がある。
今は物質科学の文化の全盛期で、それがために眩惑し、男性的東洋の精神文化が忘れられていることは、人類は自然消滅する恐るべき時期に直面しているのである。