ヒフミヨイ マワリテメクル ムナヤコト 
アウノスヘシレ カタチサキ
ソラニモロケセ ユエヌオヲ 
ハエツヰネホン カタカムナ

「じゃあ説明するわよ、掘先輩はカタカムナの研究をどのくらいやってるんですか?」

「中学の時からなので3年位かな」

「分りました。じゃぁ、ある程度専門用語が出ても大丈夫ですね」

「はい多分大丈夫です。お願いします」

小さな手でノートを準備するラスカル堀。

「まずは『ヒフミヨイ』ね。これは簡単よね。数字の12345 ね」

「はいこれはわかります」

「次の『マワリテメグル』は大自然の中の循環を現しているのよ。漢字で書くと『回りて巡る』ね」

「はい、漢字で書くと分かりやすいです」

「次は『ムナヤコト』は数字の678910ね。意味は先の12345と合わせて10次元までの世界があると言っててるの」

「10次元ですか?現在私たちの世界は3次元ですよね。想像もできません」
「そう、そこに時間軸を入れるから4次元までは理解できるよね。5次元世界から精神世界に入っていくので頑張って上を目指そうという意味ね」
「はい・・・何となく分かります」ラスカルが何度もうなずく。

「次は『アウノスヘシレ』は漢字で書くと『会うの術知れ』つまり、一対のモノ例えばコインの裏表が会う方法を知りなさいということね」
「カタカムナは全てがペアと考えているから一対になる方法を知りなさいということか」
中居が感慨に浸って言った。
「次は『カタチサキ』ね。これは『形先』で目に見えるものが先ということね」
「顕在世界ですね」
「はい、次。『ソラニモロケセ』は『空に諸消せ』で磁場を使った瞬間移動を言っているの、これは本当に空に消えるような移動方法なの」

「なるほどそういう意味だったのか」
中居がつぶやく。
「次、『ユエヌオヲ』は漢字で『結えぬ尾を』ね。はい、これ分かる人!」
「これは私も難解で解読できなかったんだ」中居が降参する。
「摩耶ちゃんどう?」
「尾が結べない・・・何かしら」
「ヒントはあなたの今住んでるところ」
「私の住んでるところ、渦森山・・・」
突然ガラっとドアが開いた。
「螺旋でんがな、摩耶はん!つまり渦や」
「クルクル巻いた尻尾は結べないんだナ」

「あら、あんたたちご苦労様。作業終わったの?」
「完璧なんだナ」

「テスト移送も終わったさかい、バッチリでんがな」

カバンを抱えた2人が入ってきて摩耶の後ろに腰かけた。
「そうか『結えぬ尾』とは渦の意味だったのか・・・」長年の疑問が解けたのか、もう唸るしかない中居。

「せやねん、この宇宙の真理はスパイラルつまり渦やねん」
「DNAも螺旋なんだナ」
「はい、次は『ハエツイネホン』ね。漢字は『初え終い根本』ね、ゴジラ先輩わかる?」
「初めと終わりだからここでもまたペアだな。つまり一対が基本ということか?」
「ピンポーン!大正解です」
「今たしかゴジラ先輩って言ったんだナ」
「ああ、いつの間にか仲良うなっとるな。さすがでんな」
「さあ、ラストよ!『カタカムナ』これは3つに分けて考えるのよ。『カタ』は物質、『カム』は精神とこれもペアを意味するのよね。
最後の『ナ』は統合っていう意味ね、以上!」笑いながらペコリとお辞儀するメグ。
「パチパチパチ」と感激した中居が拍手した。
「卯原さん素晴らしいわ!今までの謎が全て解決したわ!」
ラスカル堀が小さな手を叩いて興奮モードに入っている。
「いやー、凄い研究成果だな。本当のカタカムナ人に思えてきた」
「まだ認めてくれないんですか?約束どおり明日はもっとビックリさせますよ」と親指を立てるメグ。