物事を平等に見る うつがよくなる vol.23 | ヨーガ心理学

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  物事を平等に見る

 

 

 物や他者に依存した幸福感を高めることが苦しみの原因である、というお話しをしてきました。強い幸福感は一時的にその人を喜ばせますが、それらが失われたとき苦しみへと変わるからです。

 ではこのような心の問題はどのように対処すれば良いでしょうか。それは、物事の価値をできるだけ平等に見る、ということです。先ほどもお話ししたように、何かを「良いこと」としてそれに高い価値を与え、そうでないことは「悪いこと」として価値がないとすれば、相対的に苦楽が生じてくることになります。したがって、その基準をできるだけ取り除くことで苦しみを避けることができるのです。

 例えば、お金持ちであることを良いこととすれば、貧しいことは悪いことになります。それを価値基準として明確に持てば、その度合いに応じて快不快が起きます。一方で、お金があろうがなかろうが、自分の生き方に満足している人は、そういった基準で悩まされたりはしません。

 もちろん、一般的な意味での「お金持ちはうらやましいな」という程度の欲求であればそれほど大きな苦しみになることはないでしょう。問題なのは、それらの状況にひどく固執している場合で、それは本人の強固な信念によります。自分がかつてお金持ちで、貧乏な人たちを散々馬鹿にしたり見下したりしていれば、そうでなくなったとき、苦しみに変わります。つまり、「お金持ちである私は人より優れていて幸福である」という想念が反転して、「貧乏な私は人より劣っていて不幸である」という想念を作り出すのです。ですから、「〇〇は価値がある」という信念を強く持っている人は、うつになりやすい傾向があると言えるでしょう。

 では、裕福と貧乏を平等に見る場合、どのような捉え方をすれば良いのでしょうか。それは、その価値観について深く洞察していくことです。

 例えば、裕福な人の場合、美味しい食事ができたり、高価な買い物ができたりします。それは一時的にその人を愉快にしますが、快感を高めればそれでその人が幸福であり続けることができるわけではなく、お金がなくなったり、病気などで美味しい食事ができなくなったとき、ひどい飢餓感に襲われることになります。また、好きなものが何でも変えていれば、何かのきっかけで買えなくなったとき、辛い思いをしなければなりません。はじめからお金がなく、そういった快感を抑えることができれば、何か失ったり、手に入らないときの苦しみはわずかになります。

 このように考えれば、裕福であることと貧乏であることには根本的な違いがありません。大きな快楽が大きな苦しみを生み、わずかな快楽がわずかな苦しみとなる、という意味で平等だからです。結局のところ、どちらを選ぶかはせいぜい好みの問題で、それ自体が人の幸福の基準になっているわけではないことが分かります。

 一方で、「裕福でより快楽の多い生活をしている人がそのまま死んでいく場合、快楽が必ずしも苦しみに反転するとは限らないのではないか」という反論もあるでしょう。しかし、人には避けられない問題があります。それが死です。

 この人生において快楽を多く作った人は、死に際して嘆き悲しむことも多くなります。それは、生きている間に自分の喜びとなるものを外界にたくさん作ったからで、死によってそれらと離れなければならないからです。

 このように考えれば、自分の価値観が反転することは必然的に起きており、これを避けることはできません。そして、「これが幸福である」とか、「これが喜ばしい」と思っているものを失うことがうつの原因ともなるのです。したがって、このような価値観を作らず、また、すでに築きあげた信念も手放していくことがうつを避けるための具体的な取り組みになります。

 

 

 

 

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