心の相対性
一般的に私たちは、快感は快感として存在しており、苦しみはまた別の原因によって起きると考えています。そのため、「喜びはたくさん欲しい、苦しみはできるだけ避けたい」という基準で行動するのです。ですが、心の働きは相対的なものであり、苦楽は互いに関係しています。喜びは苦しみの原因となり、また、苦しみから解放されることが喜びにもつながる、という心の相対性です。
例えば、大好きなペットと一緒に暮らしていると、自分に甘えてくるその愛らしい様子を見てとても喜びを感じます。一方で、そのペットが病気なったり亡くなったりすれば、その幸福は反転して不幸のどん底に変わります。つまり、幸福を感じていた状況が失われることが、心の苦しみの原因になっているのです。これが心の相対的な苦楽の関係性です。
この苦しみはちょうど、すでに味わった幸福感に比例して大きくなります。大好きなペットがいなくなることと、たまに見かける野良猫がいなくなることでは苦しみの度合いが変わるからです。その家に来る野良猫に少しエサをあげているぐらいの喜びであれば、その猫が来なくなってもそれほど落ち込むことはありません。強く愛したペットがいなくなるので、苦しみとなるのです。したがって、強い幸福感を得ていればそれは強い絶望感となり、それほど幸福を得ていなければ、苦しみもやわらいだものになると考えることができます。
以上のように、私たちの人生において幸福は重要なものですが、多くの喜びを得ることによって幸福であり続けることができるかといえばそうではなく、それは将来の苦しみの原因ともなっているのです。ですが、私たちは自分の幸福な状況は失われることがないと思い込んで喜びを追い求めます。
このような心理の背後には、一種の無知性があります。自分が得た幸福感にある種の永遠性を投影して、「大好きなペットはこの先もずっと私と一緒にいる」とか、「大切な家族との関係は永遠にこのままだ」と考えて、それらが失われることを想定しないのです。うつ病の原因の一つは、このような心の相対性に気が付かず、過度に幸福感を高め、またそれが永遠に続くと思い込んでいることによって起きているのです。
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