鑑賞者の視点を持つ うつがよくなる vol.16 | ヨーガ心理学

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  鑑賞者の視点を持つ

 

 

 自我対象に依存しないこと、自我の想いに従うことが大切である、というお話しをしてきました。この章の最後に、鑑賞者の視点を持つことについてお話ししていきたいと思います。

 ヨーガ心理学では、五感、心、自我を捉える普遍的な意識があると考えており、これを純粋意識と呼びます。純粋意識はただ見るだけの原理で、いわば映画の観客のようなものです。

 映画館に行くと、私たちはゆったりとしたソファに座り、目の前のスクリーンに映し出された映画を見ます。映画の中では様々なストーリーが展開し、ときには危機におちいりハラハラドキドキさせられますが、本来の自分は映画とは別の次元に存在し、映画から何らかの危害を受けるわけではありません。これが鑑賞者の視点で、現実生活とは異なる次元にある意識の存在を知ることで、深刻になっている人生と少し距離を取り、冷静に物事を判断できるようになります。

 一方で、映画に没頭すればそのストーリーに同一化してしまいます。観客であることを忘れて、映画の中の主人公になりきって一喜一憂するのです。ちょうどこれと同じことが私たちの人生にも起きていて、自分の人生に没頭するあまり、自我対象や自我の想いと同一化してしまうのです。つまり、「〇〇会社の社員としての私」とか、「サッカー選手としての私」という自我対象との同一化、「私にはこういう想いがあって、これを実現したい」という自我の想いとの同一化が起きていて、「これが失われたら私は生きていけない」とか、「これができなくなったら私の人生は無意味だ」と考えるのです。

 一方で純粋意識はそれらの想いを眺めているだけです。自我対象が失われる苦しみ、自我の想いがうまく実現できない葛藤も、根本的には映画のストーリーです。したがって、鑑賞者の視点を持つときは、それらは映画のように投影されたイメージにすぎないという見方をしていきます。悩み苦しみは純粋意識である私に起きているわけではないからです。

 もちろん、自我対象や自我の想いが作り出している人生に価値がないと言っているわけではありません。それ自体もかけがえのないものですが、人はときとして自分の人生にあまりにも没頭しすぎて深刻になるのです。この深刻さがうつの原因の一つで、鑑賞者の視点を持つことで俯瞰して物事を見ることができるようになります。

 例えば、ホラー映画を見ていると、自分が襲われているような錯覚をして本当に驚いたり、悲鳴をあげてしまったりすることがあります。このような恐怖に耐えられないと思うと、「これは映画だ、実際に私が襲われているわけではない」と考えて、観客である自分を思い出すと安心できます。これが純粋意識の観点で、自分と起きている出来事を映画と観客という違った次元のものとして捉えるのです。

 このように、鑑賞者の視点を持ち、自我対象や自我の想いを客観的に捉えている「私」を自覚することで、うつを軽減することができます。

 

 

 

 

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