会社員で仕事をしてたときは
評価されることが目標で
好きで選んだはずの職業も
人の顔色ばかり伺う毎日で
いつの間にか
自分の所在は無くなり
無力な私になっていた
自分たちで雑誌をつくる
チャンスをもらったときも
会社員時代の癖が抜けなくて
自由にやれるはずなのに
気づけばお伺いばかり立てていて
途中でそれじゃあ
意味ないことに気がついた
お金にならなくてもいいから
買ってもらえる雑誌じゃなくて
自分が作ってみたかった雑誌を
思いっきり表現してみようと
開き直った
作ったあとは満足感と
達成感でいっぱいだった
自分の想像を超える結果もついてきた
そして何より私は
人からの評価がうれしかった
初めて人を気にせず
自由に制作したからこそ
その喜びもひとしおで
私はその賞賛に酔いしれた
これが落とし穴だった
自分を認めてない私が
いきなり人から賞賛されたとき
賞賛の上に
自分の価値が成り立った
今度は何もやってない自分に
価値を感じられなくなった
これはきつかったなぁ…
もともと何もなかったはずなのにね
でも今回ドラマを作った後は
全然違う感覚だったんだよね
賞賛の声や
感謝のメッセージを
たくさんもらったことは
もちろんうれしかったけど
それよりなにより満足だったのは
自分にとって最高に
お気に入りの作品ができたこと
たくさんの仲間たちと
共同創造ができたこと
それ以上でもそれ以下でもなく
ただそれだけだった
賞賛の上に自分の価値など
全く載せていなかった
明らかに以前と違う自分がいた
創り出した作品への
執着みたいなものが全くなくて
ただただ清々しかったんだ
意識が拡大する
その瞬間が一番楽しい
恐怖を乗り越え
新しい経験をするたびに
私の世界はぐんぐん拡大していって
頭の中のスペースが広がって
私はまたひとつ自由になれたんだ
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