蝉と鴉八月初旬、暑い夏の蝉の大合唱の中、外に出た末っ子消えそうな声でも鳴き続ける蝉を鴉がつついていたそうです「ひっしで鳴いてるのに仲間は誰も助けに来ようともしやんから、ふぅちゃんが助けてあげたかったけど、できなかった。」と言うので、なんで?と訊ねると、「電柱の上にいたから。」と。蝉の届かぬ高い願いは、人の手届かぬ高い場所で、死にゆく蝉と生き延びようとする鴉の狭間で揺れ動く7歳の心を感じて、心に深く響くものがありました。