以前まで公開していた志方あきこさんのアルバム『noAno』の感想・考察等を交えた記事を、本記事より収録楽曲1曲ずつまとめ直す試みです。相も変わらず無謀&あてずっぽうの低クオリティでお届けいたしますので、お暇な時にダラダラ眺めるか~程度の心持ちで覗いてやってくださいませ。
今回は『noAno』収録1曲目:「はじまりの音」の耳コピチャレンジです。対象は前半の音階歌詞部分のみになります。造語歌詞部分、歌詞ブックレットの表記については次回まとめさせていただきますので、お待ちいただけますと幸いです。
※なお、以下には「noAno設定資料集」掲載の、楽曲解説内容バレが一部含まれます。
所持されていない方で内容バレは避けたい、という方は閲覧ご注意くださいませ。
「はじまりの音」について
「はじまりの音」は音階歌詞+造語歌詞(今後、『caTra』『noAno』等に共通する要素はそれぞれ、PF世界・PF語・PF文字と表記いたします)から構成される短めの楽曲です。音階歌詞といっても、『caTra』収録の「ヒト型式PF試奏例α」とは少し違っていて、音階を示す発音が“ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ”ではなく、“ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・ティ”に変わっています。
早速本筋から話が逸れてしまいますが、これは志方さんが何かの事情に合わせて“シ”を“ティ”に無理矢理変えたというわけではありません。
私達が慣れ親しんできた“ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ…”の発音はイタリア式の発音になります。これは7つの表記に起こした「7音階」ですが、音階にはこの7つのものだけではなくて、♯(シャープ)や♭(フラット)が付くような半音階ズレた音階も存在しますよね。実は、英語圏ではそういった半音階ズレの音階にも固有の発音を付与して、12の表記に起こした「12音階」なるものが作られているのです。この「12音階」では、♯は母音の“i”、♭には“e”に発音を変えて区別ができるようにされ、“ド・ディ・レ・リ・ミ・ファ・フィ・ソ・シ・ラ・リ・シ…”となりました。
…とすると、どうでしょう?全く違う音階に同じ発音の物が2つ存在することになりますよね。これだと発音上・表記上で区別がつかなくなってしまいます。そこで、7音階でいう“ラ”の次の音、“シ”の発音を“ティ”に変更して“ド・ディ・レ・リ・ミ・ファ・フィ・ソ・シ・ラ・リ・ティ…”という表記が作らました。さらにこれを12音階から7音階に戻すと“ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・ティ…”となるわけです。
つまり、“シ”を“ティ”と発音するのは不自然なことではないのです。実際、英語圏では“ティ”で発音する方が一般的なようで、かの有名な「ドレミの歌(Do-Re-Mi)」の英語版歌詞では“シ(シはしあわせよ)”ではなく“ティ(Ti (tea), A drink with jam and bread.)”の発音で歌われています。要するに、単刀直入にまとめると“シ”はイタリア式発音、“ティ”は英語圏式発音とでも言ってしまえば良いのではないでしょうか。
この“シ”と“ティ”の発音問題に関する歴史は、実際にはもっと込み入ったアレコレがあるようです。ここでは凄く簡潔な説明に留めてしまったので、正確な事についてはご自身で調べられることを推奨いたします。私も調べられる範囲で色々目を通してみましたが結構面白かったです。
何故急にこんな解説を挟んだのかというと、私自身がこの「12音階」なる物を知らなかったということと、あのまま行くと“内容バレあるよ!嫌な人は気を付けてね!”と注意喚起したそのすぐ下に、早速内容バレが出てきてしまうことを避けるためでした。冗長であることは十分承知しておりますが、ご理解いただけますと幸いです。
本題に戻りまして、「…で、だから何でこの楽曲では急に“シ”を“ティ”に変えたの?」ということですが、「noAno設定資料集」掲載の楽曲解説には“前半は時計塔をイメージした構成にしたかった”とあります。そこで志方さんは、時計の針が刻む音を“シ”から“ティ”に発音を変えて表現した、とのことでした。例えば「シ シ シ シ…」と発音するはずだった歌詞があったとしたら、ここでは「ティ ティ ティ ティ…」となるわけです。志方さんの歌声で“ティ”が聴こえてくる度、時計の針が進んだり戻ったりする映像が脳裏に浮かぶような仕上がりです。実際に楽曲を聴いてみて、以下の耳コピチャンレンジ内容をご覧頂ければ、“ティ”がたくさん出てくると言うことをお分かりいただけるのではないかなと思います。
「はじまりの音」
耳コピチャレンジ
さて、志方さんのそんな繊細なこだわりが込められた「はじまりの音」前半部分、御本人曰く“気が狂ってもティッティッティッティ”な、音階歌詞の耳コピチャレンジ本編に参りましょう。その前に、ご覧いただくにあたってご理解いただきたい注意点と内容説明がございます。
❖まず1つ目。私は音楽の勉強をしたことが一切無く、楽譜も書けません。なので、改行部分の区切りのタイミングがおかしい可能性があります。私の感覚でタイミング良く、改行するにもできるだけ自然に仕上げられるところで区切って改行しています。その点で見づらいかもしれませんが、ご理解いただけますと幸いです。
❖2つ目。志方さんの「ヒト型式PF試奏例α」楽曲解説にある通りに則り、耳コピした音階歌詞に♭(フラット)や♯(シャープ)等の表記は付けていません。例えその音階が正しくは「ファ♯」だったとしても、コーラスでは「ファ」としか歌っていないので、歌っている発音の通りの表記になります。
❖3つ目。以下に続く耳コピ内容ですが、行を空けずにまとまって並んでいる2~5行分が、次に改行される部分までに同時に聞こえている部分という表記になっています。例えば最初の↓
[2] ドレミファソミラファソラシラソ
[3]ド ソ
説明は以上です。
以下より内容本編となります。是非楽曲を再生しながらご覧ください↓
[1]ティ ファ レ ファ ド ファ ド ファ ド ファ ミ ファ ティ ファ レ ファ
[2] ティティ
[1]ティ ファ レ ファ ド ファ ド ファ ド ミ ド ミ ティ ファ レ ファ
[2] ティ
[1]ティ ファ レ ファ ド ファ ド ファ ド ファ ミ ファ ティ ファ レ ファ
[2]ティドレミド ラ ラ ド レドティ
[3]ティ ド ド ティ
[1]ティ ファ レ ファ ド ファ ド ファ ド ミ ド ミ ティ ファ レ ファ
[2]ティドレミド ラ ラ ド ド レ
[3]ティ ド ド ティ
[4]ティティ
[1]ティ ファ レ ファ ド ファ ド ファ ド ファ ミ ファ ティ ファ レ ファ
[2]ティドレミド ラ ラ ド レドティ
[3] ティドレミド ラ ラ ド レドティ
[4]ティ ド ド ティ
[5]ティティ
[1]ティ ファ レ ファ ド ファ ド ファ ド ミ ド ミ ティ ファ レ ファ
[2]ティドレミド ラ ラ ド ド レ
[3] ティドレミド ラ ラ ド レ
[4]ティ ド ド ティ
[5]ティティ
[1]ティ
[2] ファ
[3] ド
[4] ラ
[5]ティ(ティ)ティ(ティ)ティ(ティ)ティ(ティ)
[1]ティ ファ レ ファ ド ファ ミ ファ ティ ファ レ ファ ティ ファ レ ファ
[2]ティティティティティティティティティティティティティティティティ
[1]ティ ド レ ミ
[2] ファ
[3] ド
[4] ラ
[5]ティ ティ ティ ティ ティ ティ ティ ティ
[1]ティ ファ レ ファ ティ ファ レ ファ ティ ファ レ ファ ティ ファ レ ファ
[2]ティ ラ ラ ティ
[3]ティドレミファソラティラソファミレドティラティドレミファソラティドティラソファミレド
[1]ティ ファ レ ファ ティ ファ レ ファ ド ミ ド ミ ティ ファ レ ファ
[2]ティ ラ ソ ラ ティ ド
[3]ティドレミファソラティラソファミレドティラティドレミファソラティドレミファミレドラ
[1]ティ ティ ティティティ ティ ティティティ
[2] ド レ ミ
[3]ティレソファミレドティ ティレソファミレドティ
[4] ティドレミファソファミ ティドレミファソファミ
[1]ティ ティティティ ティ ティティティ
[2]ファ ソ ラ
[3]ティレソファミレドティティレソファミレドティティレソファミレドティティレソファミレドティ
[4]ティドレミド ラ ラ ド ド レ
…いかがでしたか?「ここ違うよ!」という点や「ここにコレが足りてないよ!」などございましたら、優しくそっとご協力いただけますと幸いです。コメント欄まで情報をお寄せいただけると大変助かります。
同じく音階歌詞が採用された楽曲、『caTra』収録の「ヒト型式PF試奏例α」と比べると、そもそも該当部分の時間が短いので耳コピも多少楽かな…とは思ったのですが、そんなことはありませんでした。早口の部分が来ると音の情報が脳内で全部滑り空振り、何回聴き直したか分かったもんじゃない。今までに様々な言語を歌い扱ってきた経験からか、志方さんって滑舌の良さも半端ではないと思うのです。
他作品の話ですが、新約パスタリエなんかどうあがいても私は絶対噛み散らかしますからね。レプレキアとかレプレキアとかレプレキアとかね。ちゃんと呪文だよね、あの言語。
では、今回はこれにて結びといたします。
【『noAno』の謎に迫りたい】第2弾は「▶File2:はじまりの音Part2・PF文字解析結果&考察」でお会いいたしましょう。
ここまでお読みくださった皆様、ありがとうございました!