ケーブルの公称断面積と仕上り外径は、単心(1C)のケーブルだとわかりやすいのですが、3CのケーブルやCVTなどのトリプレックス型のケーブルだと、1Cあたりや1本あたりの断面積のことを言ってるのか、それとも3C全部まとめた断面積なのか、仕上り外形はCVTの場合、1本あたりなのか3本まとめた場合の外径なのかなど、様々な疑問が湧いてくるかと思います。
・CV100sqとCVT100sqは仕上り外形が同じ
導体の外径は12mm
仕上がり外形は46mm
許容電流は290A
600V CV 100sq-3C
導体の外径は12mm
仕上がり外径は40mm
許容電流は260A
600V CV 100sq-4C
導体の外径は12mm
仕上がり外径は44mm
許容電流は260A
600V CV 100sq-1C
導体の外径は12mm
仕上がり外径は37mm
600V CV 100sq-2C
導体の外径は12mm
仕上がり外径は37mm
導体の外径は12mm
仕上がり外径は57mm
許容電流は265A
このように見ると、同じ100sqでもケーブルの太さ(仕上り外径)は全然違う事が分かるかと思います。
CVT100sqとCV 100sq-1Cは同じ100sqでも、仕上がり外径は全然違います。
CVTは3本分の外径であり、CV-1Cは1本分の外径です。あくまで、導体1本あたりの断面積が同じというだけになります。
しかし、導体1本あたりの外径が同じなので、若干許容電流が近しい値にはなっています。
もちろん、導体の外径は許容電流を決める一要素に過ぎないので、それだけで許容電流が決まるわけではないことには注意が必要です。
また、CVT100sqとCV 100sq-3Cは導体1本あたりの断面積だけでなく仕上がり外径もほぼ同じになっています。 若干CVTのほうが仕上がり外径が大きいですが、ほぼ変わらないと言っていいでしょう。許容電流もCVTのほうが大きくなっています。外径がほとんど変わらずに許容電流が大きくなっていることが、CV-3CよりもCVTが好まれる理由の一つです。
単線の場合の電線サイズの表し方
電線のサイズは基本的に、公称断面積としてsq(スケア)やmm2で表しますが、単線の場合は異なります。
(※単心ではなく単線である点に注意 単線とは導体が1本の導線から構成されているものを言います。逆に撚り線は複数の導線を撚り合わせたものを言います。)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240620/20/yoda-denki/66/ae/p/o1080067415453909200.png?caw=800)
単線はmmで表し、より線はsqもしくはmm2で表すのがルールとなっています。
先程のCV-1Cは導体がより線であるため、100sqなどのsqやmm2の単位を使用しています。
なので、先ほど、公称断面積は1本の導体の断面積と言いましたが、実際には撚り線であり、複数の導線から構成されているため、厳密に言うと1本という表現は正確ではありません。1本の導体といいつつも、100sqなら実際には19本の素線で構成されています。
VVFケーブルで使用される太さのものは単線がメインであるため、VVFケーブルのサイズは以下のように表されます
VVF 1.6mm
VVF 2.0mm
VVF 2.6mm
公称断面積ではないのでsqやmm2という単位を使わない点に注意が必要です。
逆にVVF5.5SCや8sqのように、VVFでも大きさによってはsqやmm2で表されます。
もう少し具体的に言うと、太い単線は折り曲げが困難となるため、2.6mmより大きいものは、撚り線となります。
単線と撚り線については使い分けるというよりは、太さによって決まってくるイメージですので、設計者や施工者側で単線か撚り線かを気にして選定するということはあまりないかと思います。
・仕上り外径はシースも含めたケーブル全体の外径であり、CVTなら3本分の外形となる。
スパムメール対策の為「@」を「/at-mark/」と記載