2018シーズンのWalter Payton Man of the Yearの候補として、セインツからはRBマーク・イングラム(#22)がノミネートされました。フィールド上の活躍と社会貢献活動の両方を考慮して選ばれる名誉ある賞です。QBドリュー・ブリーズ(#9)も2006年に元同僚のRBラダニアン・トムリンソンと共に受賞したことがあります。ジャージの胸にある人型のワッペンがその名誉の証となってます。最初は違和感しかありませんでしたが、毎週見てると慣れてくるものですな。

 

カウボーイズ戦は、相手RBエジキエル・エリオット(#21)のランをまあまあ止めたのに負けるという結果になりました。オフェンスの完全沈黙はもちろんですが、ディフェンスも13失点にとどめたとはいえ、いくつか問題点があぶり出されたと思います。おおまかに挙げると、①CBイーライ・アップル(#25)狙い撃ちにあう、②RBエリオットのスクリーン2発でTDされる、③3rdダウン・コンバージョンを阻止できない、の3点です。

 

(1) CBアップル狙い撃ち

マン・カバーをメインとしました。アップルは新人WRマイケル・ギャラップ(#13)らのカバーを担当するも、簡単に抜かれ後ろから追う展開になります。アグレッシブなカバーをする割にバンプが弱い。かと思えば今度は掴んじゃってホールディング。フィジカルなプレーをちょうどいい感じにできないのかな。序盤1~2回目のドライブで狙い撃ちにあいました。本人も自信喪失の表情をしているところをカメラにぬかれるあり様。しかし、その後なんとか修正し、相手QBダグ・プレスコット(#4)が投げあぐねるようになります。やられっ放しよりはマシですかね。

 

CBはマーション・ラティモア(#23)もあまりよくなく、WRアマリ・クーパー(#19)に8回のターゲット全部でレシーブを許しました。クーパーがレイダース時代とは別人のように堅実なキャッチを見せます(1個落球を審判に見落とされたけど)。素早いダブルムーブでラティモアは一瞬でセパレートされてしまいました。

 

(2) スクリーン

2回目のドライブでは、RBエリオットのスクリーンが2回綺麗に決まります。1回目はTEダルトン・シュオーツ(#86)が左側へジェットスイープのモーションをし、その後ろでWRコール・ビーズリー(#11)が同じく左側へエンドアラウンドのモーションをし、これらの動きに釣られてボックスが左側へ広げられてしまい、右側のスクリーンに対応すべき選手が減ってしまいました。これ、セインツがよくやるプレーを応用させたものですね。何たることだ。

 

2回目は左側へのWRスクリーンのフェイク(投げるフリ)をしてからの同じく右側にスクリーン。これもLBらが左側へ寄せられてしまいました。また、後ろから追いつくはずのDTタイラー・デービソン(#95)がCジョー・ルーニー(#73)に横から激突されブロックされたのもポイントでしょうね。これまでスクリーンにはきちんと対応していたのですが、いきなり崩れました。カウボーイズが勝負どころのプレーを用意してきた感があります。

 

(3) 3rdダウン・コンバージョン

最初の2回のドライブでそれぞれ失点した後は、2回のファンブル・フォース&リカバーなどにより3失点におさえます。この点は見事と言っていいのですが、カウボーイズ側が無理せずボールキープに努めたという側面もあります。特に4Qはランが出ないのにボール・コントロールで時間を削られ、反撃の機会を少なくしてしまいました。その最大の要因は3rdダウンを止められない点にあります。せっかく3rd&Longに追い込んでも、そこでチェックダウン・パスやスクランブルに追い込んでも、すぐにタックルしても、仕留めきれなければ意味がないのであります。パシュートのタイミングが遅いのか、タックルの角度が甘いのでしょうか。この点に相手ディフェンダーとの落差を感じますね。

 

チャレンジの権利を失った中での誤審という不運もありました。3rdダウンでの落球やダウンが見逃され、2回も無駄に更新されました。

 

フロント7(DL、LB)は良い仕事をしたと思います。ランはしっかり止め、QBプレスコットにもしっかりプレッシャーを掛けてました。それでもドライブが続くため、リズムを崩すことができませんでした。これって先週のファルコンズ戦と同じ。結局はDBのカバーが悪いということになるのでしょうか。ラティモアやアップルがやられてしまう状況では、これ以上DBをどうすればいいいのか手立てが見出せません。