WRキャメロン・メレディスの獲得により、ドラフト前に補強必須のニーズは綺麗に埋まりました。ドラフトは純粋に戦力の「強化」に集中できます。ニーズにかかづらうことなく柔軟に動けるし、大胆なトレードアップもできます。ただし、3~4番目のWRとみられるメレディスもウィリー・スニード(#83、RFA)もケガを抱えてますし、ドラフトでのWRの指名が無くなったとまでは言えません。

 

今年のドラフト候補のWRはいくつもの能力を兼ね備えたオールマイティな選手はほぼいなく、一芸に秀でた選手が多い印象で、1巡にふさわしいと言えるトップ候補は少なくても、それ以降の層は厚いです。

1~2巡候補の中では、コートランド・サットン(サザンメジスト大)はサイズ、スピード、クイックネスを兼ね備えていますが、強豪校との対戦経験が少なく、ルート・ランのバリエーション不足や捕球範囲の狭さといった課題も指摘されており、一般的な評価は伸び悩んでます。セインツはロスターにSMU出身選手が多く、サットンとも既に個別面談を行っていますが、WRには身体能力よりもルートの堅実さやキャッチ力を重視する傾向にあり、実際に指名することは無いと思います。

全体的にスロットWRが多く、トップ評価のカルビン・リドリー(サザンカリフォルニア大)もこのタイプ。スピードのあるプレーメーカーですが、線が若干細めでプロの身体能力に耐えられるのか懸念する向きもあります。D.J.ムーア(メリーランド大)は健康なメレディスといった感じの選手です。セインツが1巡27位で指名するモックをよく見かけましたが、メレディス獲得によりニーズ的には指名は遠のきました。クリスチャン・カーク(テキサス農工大)はアウトサイドとスロットの両方でプレー可能で、タイミング・パスを滑らかにキャッチして走り出し、タックルをブレイクしながらどんどんゲインするのを得意とします。アンソニー・ミラー(メンフィス大)はシュアハンドで純粋なスロット・タイプとして評価が高いです。セインツはメレディス獲得後もミラーと個別ワークアウトを実施しており、かなり興味がある模様。個人的には3~4巡と見られるデーション・ハミルトン(ペンシルバニア州立大)が何となく好みです。セパレート能力が高いように見えます。ただ、チームにRBセイクオン・バークリーやTEマイク・ゲシッキといった規格外の選手がいたので、その恩恵でハミルトンがオープンになっていただけかもしれません。

3巡以降の候補にはバックショルダー・パスのターゲットになりそうな大型レシーバーも多いです。シミー・コッブス(インディアナ大)やアレン・ラザード(アイオワ州立大)が個人的に気になってます。捕球範囲が狭かったり、あまりセパレートできなかったりしますが、背丈を使ったキャッチにより、サイドライン際、レッドゾーンでTEとともに(あるいは代わりに)起用することができそう。長身をまったく生かせなかったブランドン・コールマン(UFA)の代わりを下位からピックする可能性はあります。

 
そんな中、メレディス獲得後のセインツがドラフトでWRを指名するとしたら、スピード・タイプが主なターゲットになると思います。メレディスのケガを懸念し健康なスロットWRを別途加えるとしても、それはランス・ムーアやスニードが出現した時のようにUDFAやトライアウトの中から探すことになるでしょう。

 

WR ディオン・キャイン - クレムソン大 Jr. 6-2 / 202

メレディスとの契約後に個別ワークアウトを実施しています。スピード・タイプの選手で、相手のカバーを見抜くのがうまくルート・ランがスムーズ。ゾーンのシームを縫いながら奥へ走って行きます。これはフットボールIQが高く勉強熱心ということですかね。スラント、スクリーンなどのタイミング・パスも良く、トップ・スピードのままレシーブできるため、ヤード・アフター・キャッチも稼げます。

カレッジ最初の2年間がQBデショーン・ワトソン(現テキサンズ)、エースWRマイク・ウィリアムズ(現チャージャーズ)という理想的な環境だったためでしょうが、最終年(ジュニア)はキャッチ数が増えた一方で獲得距離が減ってます。ワトソンとウィリアムズをそのままブリーズとトーマスへ置き換えられるセインツとしては、最終年のスタッツは気にしなくても良いのかな(笑)。落球、反則、禁止薬物等、キャラクターは大丈夫なのかという懸念もあります。これが無ければテド・ギンの後継にピッタリなNo.2レシーバーになると思います。

 

ディープ・スレッドとしては、バイロン・プリングル(カンザス州立大)にも接触しています。ボディバランスが良く、大胆なダブル・ムーブで瞬時にカバーを外すなどセパレート能力が高いです。ルートの選択が良くDBの内側に入るのがうまいです。リターナーも務めます。落球の多さが際立ち、安定感には欠ける様子。気になる選手ですが、オールドルーキーだったり、若かりし頃やんちゃだったりといろいろ抱えてそう。

 

WR トレクアン・スミス - セントラルフロリダ大(UCF) rJr. 6-2 / 203

スピード・タイプのWRとしては中位候補のスミスに注目しています。サイズは平凡ながら腕が長く、球際の強さがあります。捕球範囲は広くありませんが、高めのボールは得意。スピードを落とさずキャッチできます。マンツーマン・カバーを苦手としておりセパレート能力は高くありませんが、1度オープンになると脅威になります。ブロックに積極的なところも良いですね。地味だし総合力は高くないですが、使い方次第(プレーコール次第)では良いレシーバーになりそうな気がします。